第29話  引きこもりと添い寝

 ショッピングモールから帰ってきた俺は今お風呂に入っている。


女子達は春香の家でお風呂に入っている

それで、全員お風呂に入ったら家に戻ってくるらしい。

これ俺の家に泊まる必要あるのかな?春香の家で良くない?


         10分後


俺はお風呂から上がりリビングで一人くつろいでいる

ソファーにダイブして硬くなった体をほぐすため大きく伸びをする


「久々の一人だー!!」と束の間の休息を喜んでいた

俺はソファーに仰向けになった。

右手の甲を額に当て目を瞑った

なんで、みんな俺の家に泊まりたいんだ?

引きこもり男子の家だぞ?俺に気があるわけでも無いだろうし...


そのまま俺の意識は遠のいていった


「……おきて……………たくま……」


誰かが俺を読んでいる声がした

そして誰かが俺の体を揺らしている感覚がした


「起きて!琢磨!」


「ん...」

ゆっくり目を開けて声の方を見た


そこには、可愛らしい寝巻きを着た唯華が俺の体を

揺らしていた。


「あ...やっと起きた!こんなところで寝たら風邪ひくよ?」

心配して起こしてくれたらしい


「ああ、悪い...」

重い体を起こしてソファーにもたれかかった


「ふぁぁ...」と俺が大きくあくびをしているとリビングのドアが開く音がした


「琢磨くん眠そうだね!」

元気そうな桜花の声が聞こえた


「たくちゃん、こんなところで寝ちゃダメだよ?」

心配そうな春香の声も聞こえてきた


春香と桜花の声がした方を見るとふたり共寝巻き姿で立っていた


「ああ...もう眠いから...布団行ってもう寝る...」

俺は右の目を擦りながら言った。


すると桜花は笑顔になっていた

「琢磨くん寝ようね!」

何故か桜花のテンションは上がっていた

そして何故か一緒にというところがやけに強調されていた気がする...


周りを見渡すと何故か春香と唯華は少し悔しそうな表情をしていた。

みんな、布団の方が良かったとかかな?

だが、違ったら恥ずかしいので言わないでおいた。


        琢磨の部屋


俺がベッドに入ると横に桜花が寝転んでいる


「いえーい!琢磨くんの横だー!」と嬉しそうな顔をしていた

何がそんなに嬉しいんだ?


桜花の顔の方を向いて寝るのは流石に恥ずかしいので桜花とは逆方向を向いて寝る事にした。


すると、横腹がくすぐったくなってきた

桜花が恐らく俺の横腹を指でツンツンしてるのだ


「お...おい!桜花!くすぐったいから...」

止めるように行ったがやめる気配は無かった


「琢磨くんこっち向いてよー」


「流石にそれは...恥ずかしい!」

俺は桜花にはっきりとそう言った


桜花のツンツンはさらにくすぐったくなった


「や...やめろって!なんで桜花の方向かなきゃいけないんだよ!」と聞くと一瞬ツンツンがやんだ


「それはねー!琢磨くんの寝顔が見たいから...」


「誰が見せるか!」と勢い良く言うと再びツンツン攻撃が始まった。

耐えきれなくなった俺は仕方なく桜花と顔合わせの状態で寝る事にした。

やはり、桜花はなぜか嬉しそうだった...


桜花の顔は整っている方でこの美形を目の前にして

緊張で寝れる気がしなかった。

そして、先ほどまでの眠気はどこかへ行ってしまった...



         1時間後


隣で寝ている桜花は小さな寝息と共に可愛い寝顔をしながら寝てしまった。


俺は緊張で全く寝れる気がしない...






















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