第28話  引きこもりと映画館

 俺たちは今大型ショッピングモールに来ている


なんで、俺が付き合わなければいけないんだ...と思いつつ女子達の後ろを歩いている

すると、春香が後ろで歩いてる俺の横に来た


「たくちゃん...楽しくない?」と少し心配そうに聞いてきた


「ああ...まぁ、普通だよ...」


春香は可愛く頬をぷくーとふくらませた


「そこはすっごく楽しいって言うところだよ!」


「あ...なんかごめん...」


後ろの髪を掻きながらよく分からずとりあえず謝った。女子というのは本当によくわからない...

俺が謝ると春香は笑いながら横に手を振った


「ごめんね!たくちゃん...からかっただけだから...」

申し訳無さそうに逆に謝られた


すると、前で話していた唯華と桜花が俺たちの横に並んだ


「何の話してるの?琢磨?」

唯華は首を傾げてこちらを見ていた


「そうだよー何の話してるのー?」と桜花は春香にくっついていた


「ふふーたくちゃんをからかってただけだよー!」

春香は可愛くふふと笑っていた


などと話していると今日の目的の場所のショッピングモールの映画館へ着いた。

そこで、今日は映画を見る予定らしい


映画館に来るのは久しぶりだな...

「何の映画を見るんだ?」

と俺は首を傾げた


春香はふふと笑いながら俺の方を向いた

「恋愛物の映画だよー!!」

春香は昔から恋愛やらラブコメが好きだったのでとてもテンションが上がっている。


「春香好きだもんな...」


春香の方を向きつつ言うとうんうんと首を上下に振っていた

女子はみんなこういうのが好きなのだろうか?と疑問に思いふたりにも質問してみた


「桜花と唯華も恋愛物とかって好きなのか?」


桜花は笑顔になっていた

「うん!私もこういうの好きだよ!」


唯華は顔を少し赤くしながら小さく手を上げた

「私も恋愛物は好きだよ...」


「やっぱりみんな好きなのかー」


春香は横で納得したような嬉しそうな表情でうんうんと頷いていた。

仲間がいて嬉しいんだろうな...


そして、チケットを購入して俺たちは館内へ入場した。

10分程してから映画の上映が開始された


おー!結構面白いんだな...と映画に釘付けになっていた

肘置きに置いていた俺の手に誰かの手が置かれた

違和感を感じて手が置かれた方向を見ると春香が俺の手の上に手を重ねていた


「え?...は...春香?何してるんだ?」

少し動揺しながら小さな声で聞いた


すると、春香もこの事に今気づいたらしく焦った様子で手をばっと自分の膝の上に戻した


「ご...ごめんねたくちゃん...」

暗くてよく見えないが春香は俯いていて少し顔を赤くしている気がした


「あ...ああ、こっちも悪い...」


恋愛系の映画を見ているため余計に気まずい雰囲気になり、途中から全く内容が頭に入ってこず映画はいつの間にか終了した。


俺たちはそのまま家に帰宅した。























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