第12話  引きこもりと幼なじみのお昼

 俺は今、春香はるかと一緒にアウトレットモールを歩き回っている。

「春香ー次見る店は決まったか?」

「うーん、色々な店があって迷うんだよねー」

「別に見たい店、全部見れば良いだろ?」

春香は驚いた顔をしていた

俺、なんか変なこと言ったか...?

「え?たくちゃん全部見たらすごい時間かかっちゃうよ?」

「俺は、別に気にしないけど?時間かかる前提で

ついてきたんだから」

「ふふ、ありがとうたくちゃん!お言葉に甘えて見たい店いっぱい見せてもらおうかな!」

「うん、せっかく来たんだし思う存分見て回ろうぜ!」


         1時間後


「そろそろお昼だけど、ご飯食べに行く?」

俺は春香に聞いた

「そうだね!私もお腹空いてきたし」

「たくちゃんは何を食べに行きたい?」

「うーん、俺は何でも良いよー」

春香は笑いながら「私も何でも良いんだけどな」

「じゃあ、そこにあるカフェにするか?」

「うん!そこで良いと思うよ!」


       カフェの店内

春香は店のメニューを見ていた。

「たくちゃんどれにするー?」

「じゃあ、俺はサンドイッチとコー...」

「たくちゃん…まさかコーヒーにするとか言わないよね?」

「ま...まさかー コーラにしようと思ってたんだよ」

春香は疑問を感じたような顔をしていた

「え... 本当にコーラにするの?」

「うん もちろん...」

「たくちゃん…この店コーラ無いけど...」

「え?」

メニューにはコーラは無かった...

「すいません...いつもの感じでコーヒーにしようとしてました...」

「正直でよろしい じゃあ たくちゃんここは少し カフェインを抑えてカフェオレにしようね?」

「はい...」

春香は笑顔で

「私はたくちゃんに長生きして欲しいからね」

俺は顔が熱くなった...

「そういうのは、彼氏とかに言ってやれよ...」

「だって、私に彼氏はいないもーん」

春香は小さな声で

「だって...私の好きな人は...」

ボソボソと言っていた。

「ん?何か言ったか?」

春香は顔が赤くなり「な...何も言ってないよー!」と慌てていた

「春香?朝みたいに顔が赤いぞ大丈夫か?」

「だ...大丈夫だよ...」

「彼女とかって、俺には無縁な気がするなー」

春香は笑った顔で

「案外すぐ出来たりしてねー...」

俺は春香の答えに思わず笑ってしまい

「はは...そんな事ある訳ないだろ...」

なんか、自分で自虐してる気がしてきた...

「そういえば、春香は何注文するか決めたか?」

俺は無理やり話を逸らした。

「うん!決まったよー!もう店員さんに来てもらっていいかな?」

「俺もいいよ」

そして、俺たちは注文の品を店員に伝えた

俺はしっかりコーヒーを注文した...

春香が何かを思いついた顔をした

「そういえば、なんで彼女とか彼氏の話になったんだっけ?」

俺は少し頬に汗が流れた

「な..なんだっけなー俺も覚えてないや」

俺はコーヒーの事がバレないように嘘をついた

コーヒーが来ても話の事を思い出しませんように!と俺は祈る気持ちでコーヒーを待った。






























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