第11話  引きこもりとカフェイン

  俺達は今めぼしい店を探して歩き回っている。

すると、春香が突然「たくちゃん!わ...私と少しだけ て...手を繋いでくれない?」と顔を赤くしながら言ってきた。

俺は困惑しながら、「なんで、手を繋ぐんだ?」

「ほ...ほら、今日って人が多いからさ...はぐれないように…ね?」

「そう言うことなら...」と俺は春香に手を差し出した。

春香は嬉しそうに俺の手を取った。

「ねぇ、たくちゃん…こうしてると、傍目からはカップルに見えるのかな?」

「やっぱり手離して良い?」と俺は春香の手を離そうとした。

春香は俺の腕にしがみつき離れないようにした。

「ごめんって、嫌だー!手を離さないでー!」

春香が大きな声を出すので周りが俺たちに目を向けている。

「わかった!離さないからもうちょっと落ち着いて」

俺は春香を落ち着かせた。

「手...離さない?」と春香は俺にしがみついていた

「うん、離さないよ」と言うと春香は腕を離してくれた。

「もう一回...手...つないでね?」と笑顔で俺に手を差し出してくれた。

恥ずかしい気持ちを抑えて俺は春香の手を取った。


そして、俺たちは洋服店へと入った。

春香が2着の服を俺に見せてきた

「ねぇーたくちゃん、どっちの方が良いかなー?」

「俺に女の子の服の良し悪しが分かるわけないだろ?」

春香がふくれた顔をした。

「どっちが似合うとかならわかるでしょー?」

「俺が似合うと思った方で良いのか?」

「うん!たくちゃんが似合うって思った方を選んで!」

そして、俺は春香の服を選んだ。


         1時間後


春香は一息つくためにベンチに座っている。

俺は飲み物を買いに行っていた。

「はい!春香…カフェオレで良いよな?」

春香に飲み物を差し出した。

「ありがとー!たくちゃん!」

春香は飲み物を受け取り飲み始めた

「美味しいねー」と春香は笑みを浮かべていた

「自動販売機だけどな」

「自動販売機でも美味しい物は美味しいの!」

「って、たくちゃんまたコーヒー?」と春香は聞いてきた。

「いつも通り、コーヒーだぞ?」

「たくちゃん、コーヒーばっかり飲んでるとカフェイン中毒になるよ?」

春香は心配そうな顔をしていた。

「春香!安心しろ!今日のコーヒーはな、

コーヒーなのだ!」

春香は笑っていた。

「ふふ、それなら安心だね!」

「俺だって、カフェインで溺れ死ぬつもりは無いからな!」

「でも、たくちゃん今日一日カフェイン抜いたぐらいじゃ変わらないと思うんだけど...?」

「でも、今日飲むのと飲まないのでは、全然違うじゃん?」と俺は春香を納得させようとした。

「ねぇ、たくちゃん?」

「ん?どうした?」

「今日の朝ってコーヒー飲んだ?」

「うん!しっかりとカフェインを摂取してきた」

「たくちゃん...今日カフェイン抜いてないじゃん!」

「あ...」

すると、春香は俺の缶コーヒーを取り上げて

「今日から一週間カフェイン禁止!!」

「春香?流石にそれは...」

「問答無用!一週間いちご牛乳で頑張れ!」

「なんでいちご牛乳?せめてカフェオレとか...」

「微量でも、カフェインが入ってるからダメ」

俺は頭に手を当て「まじか...」と落ち込んでいる

すると、春香が笑いながら俺の頭に手を置いて

「ふふ、冗談だよー でも、カフェインの過剰摂取は禁止だよ?」

「わかってるよ!」と俺は元気を取り戻し返事した


そして、休憩を終えてまた店を探し出した。





























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