第9話   引きこもりとカフェ

 俺と唯華が話をしていると...

「お待たせいたしました。ご注文の品の

ホットコーヒーとコーヒーゼリー

クリームソーダとミルクレープです!ご注文は以上でよろしいでしょうか?」

俺は気付いた。ここで返事をしてしまえばまた

唯華とハモってしまう...だからあえて返事をしない!

少し黙っていると唯華も返事をしなかった。

「お客様?ご注文は以上でよろしいですか?」と店員に聞かれた

「「はい!」」とやはり同時に返事をしてしまった。

やっぱりか...


そして、俺たちは注文した物を食べ始めた

「お!ここのスイーツ美味しいな!」

「琢磨!このミルクレープ美味しいよ!一口食べる?」

「じゃあ、一口もらおうかな!」

唯華は嬉しそうな顔をして

「はい あーん」と俺にフォークを差し出してきた

「ありがとう」と俺は唯華のケーキを一口もらった

「うん!美味しいな!」

「あ...」

そして、唯華は慌てた表情をして

「た…琢磨?」

「どうした唯華?」

「こ...これって...」

「これって?」

「か...か...間接キスじゃない!」と大きな声で俺に言ってきた。

俺もその事に今気づき

「あ...」と声が漏れた

「ごめんなさい すいません!」

俺は唯華に頭を下げた。

唯華は顔を赤くしながら

「いや、今の…琢磨は悪くないよ!私からした事だし!」

「でも...ごめん気づかない俺の不注意だった!」

そして唯華は少し考えた後

「じゃあ、琢磨も私にあーんして?」

この唯華の発言に俺は「え?」としか言葉が出なかった。

唯華はまた慌てた表情で

「だって、私があーんしたからこうなったんでしょ?だから、琢磨もあーんすれば おあいこ じゃん!」

「わ...わかった...」


「じ...じゃあ...あ...あーん」

俺は、コーヒーゼリーをすくって唯華に差し出した。

唯華も照れた表情をして

「あーん」とコーヒーゼリーを食べた。

唯華は赤い顔で笑顔を作り

「これで、おあいこだね!」

俺も笑みを作り

「そうだな」と答えた。

そして俺たちは注文の品を食べ終わりお会計へと向かった。

「唯華、俺が払うよ」

「え?そんなの、悪いよ」

「良いんだよ!ここでかっこつけさせてくれ」

「うーん、琢磨がそう言うなら...」


俺たちは会計を済ませてカフェの外へ出た

唯華は笑顔を向けて

「琢磨ありがとね」

「どういたしまして」

「この後、ショッピングモールの中見て行っていいかな?」唯華は俺に聞いてきた

「俺は別に構わないよ!」

「ありがとう!」



         2時間後


俺たちは色々な店を回った。

「ふー こんなところかな!」

唯華はひたいを拭う様な動作をしていた。

「もう帰るのか?」

「うん ちょっと名残惜しいけど一通り見たいところは見たしね!」

そして、俺たちは電車に乗り最初の駅に着いた。

「唯華、もう暗いし家まで送っていくよ」

唯華に声をかけた

すると唯華は嬉しそうな顔で

「ありがとう!琢磨!やっぱり優しいね!」


そして、唯華の家に着いた。

「今日はありがとね!琢磨...」

唯華は少し緊張した様な顔で

「また、一緒にどこかへお出かけしてくれない?」と俺に聞いてきた。

「うん!良いよ!俺も誘うつもりだったから」

唯華は緊張が解けた様子で

「絶対だよ!また、どこか行こうね?バイバイ」

彼女は手を振って家に入って行った。


20分ぐらい歩き、俺も家に着いた。

「はぁー疲れた」

俺は大きくため息をついた

そしてリビングのソファーに仰向けになった

「友達と出かけるのっていいな!」

などと考えていると


「ピーンポーン」と家のインターホンが鳴った






















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