第2話 学校に呼ばれて
まだ平成31年の3月、僕らは受験も終え卒業式も終えて一段落したころ、學校から連絡があった。それで母校に久しぶりに行ったのだが、卒業してまだ数週間しか経っていず、まだ桜が咲くには少しあるし特に変わった景色もない。在校生は卒業生を追い出して、部活動等に一生懸命励んでいる。
顧問の先生がいる体育科の教官室に行って話始めると、暫くして元担任もやってきた。まずは受験の報告をして、先生方は簡単にねぎらってくれたが本題はそれから、実は僕に東京オリンピックの聖火ランナーの話が来ていると突然の申し出。
先生の話をよくよく聞いてみると、昨秋の県の駅伝大会を見ていた方がいて君を推薦するというこに。東京オリンピックの聖火ランナーは各都道府県を走り、それが来春から始まるそれくらいは知っていた。どうも狐につままれた話で、最終ランナーを始めとしたランナーはまだ完全にシークレット。過去にオリンピックに貢献した選手や功労者が話題になったり、前回のオリンピックのように一般人に走ってもらう案かとの新聞記事話題を見かけていた。その一般人の一人として僕が推薦されたという話なのだ。
大会の成績もアンカーで出場したものの一人を抜いただけの平凡な成績で、それ自体の結果が優先されたわけではない。実はその方は元号の決定に関わる懇談会の一員でその人を通じて推薦があったようである。新元号が令和になることが決まるようで、そして復興五輪でもあることから被災者でもある君に白羽の矢が立ったようである。もちろんこの話は極秘で、あくまでも最終ランナーの一人の候補ということを念を押された。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます