ペットボトルの日

「おいしいね」笑ったあなたの声を氷で薄めて苦酒を煽る朧夜


一緒に走る友がいつも側に居た いつからみんな応援席に


待ち侘びた春風の中に立ったのに 爽やかさを見出せない焦燥


からっぽのペットボトルが落ちた音 悼みのひとつも抱かぬ死の音


さよならに怯えては泣いてを繰り返し 大人は笑顔が上手になる


いっそ私の口がきけなくなったなら 悲しさを孕む声は出ないのに

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短歌 書架 @bookshelf710

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