第2話


 清清しい朝、今日も貴方はすぐに起きてこないの。見に行こうか迷っていたら、貴方はゆっくり起きてきた。昨日よりは早いのね。今日はなんだかぴしっとしているわ。あら? お掃除? ちゃんと私がかけているのに掃除機をかけ始めたわ。どうしたの? もしかして私の代わりにやってくれるの? 嬉しいわ。今日はいつもより豪華なご飯にしましょう。さあ、朝ご飯にしましょう。今日はご飯とパンどっちに……。え、すぐ着替えて出かけるの? 朝ご飯は食べないのね。何処かに寄ってから仕事に行くのかしら。じゃあ、私はゆっくり食べてから向かうわね。



 会社に着いたわ。今日の貴方は気合が入っているように見えるわ。何かしら。



 お昼休み。貴方はすぐに外に出ていったわ。何か用事があるのね。私はお弁当を食べながら貴方のことを考えて待っているわ。



 帰ってきた貴方は同僚と仲良く話しているの。「今日なんです」って何かしら。昨日の紙袋と関係ある?


 十七時。今日も時間通りに終わったわ。早く買い物に行って帰りましょう。貴方のためにご飯作って待ってるね。


 十九時三十分。何を作るか迷っていたらちょっと遅くなってしまったわ。でも貴方はまだ帰ってきていない。ご飯作って待ってるわ。


 二十時三十分。まだ貴方は帰ってこない。もうご飯もできているのよ。早く帰ってきてほしいわ。少し経って貴方は帰ってきた。大きな花束を持って帰ってきた。クローゼットの奥にしまい込んで、着替え始める。もう、私へのプレゼントなら見えちゃっているわ。でも知らない振りをしましょう。


 二十時四十五分。誰か来たのかしら? 玄関のほうへ歩いていく貴方。私の知らない女とリビングに戻ってきたわ。貴方、その人だあれ。


 二十一時。話していた貴方と女。と突然貴方は立ち上がり、クローゼットに向かったわ。花束と紙袋を持って戻ってきた貴方。女に花束を渡した貴方。何を話しているの? 嬉しそうに笑う女。そこにいるのは私なのに。紙袋から小さな箱を取り出した貴方。開けて小さな輪っかを取り出したわ。それは指輪? 私によね? そのまま女に何かを言って、女も何か言った。そのまま輪っかは女の指につけられる。抱き合う貴方と知らない女。違うわ。そこは私の場所よ、あんたみたいなやつに知明は渡さない。


 二十一時三十分。貴方と女はベッドに入る。私も一緒に寝ていないのに貴女みたいな女が使っていい場所じゃないわ。ちょっと声をかけましょう。


 二十一時四十分。貴方、貴方、何しているの? 貴方は出てこないわ。


 二十一時五十分。女とベッドで抱き合っている貴方。


 二十二時。抱き合う貴方。

 

 二十二時十分。抱き合う貴方。


 二十二時二十分。抱き合う貴方。


 二十二時三十分。抱き合う貴方。


 二十二時四十分。抱き合う貴方。


 二十二時五十分。抱き合う貴方。


 二十三時。裸の貴方はお風呂に行ったわ。その後を女もついていく。


 二十四時。二人でベッドに行ったわ。それから三時までそこから動かなかったわ。女が邪魔ね。私の場所に入り込んで来るなんて、何を考えているのかしら。ちゃんと言っておかなきゃ。



 貴女は思ったより話が分かる人だったわ。すぐに私の場所からいなくなった。そうそう、私宛の花束も指輪もちゃんと置いていったわ。私の指にぴったりの指輪、嬉しいわ。花もお部屋に飾っておくわね。そういえばあの女どうしてあんな顔していたのかしら。怖いものでも見るようなそんな顔だったわ。


 四時。貴方は一人でベッドの上。


 五時。横を見てすぐにまた寝転がったわ。


 六時。朝ね。貴方は起きてきた。さあ、ご飯にしましょう。あら、何かを探しているわね。携帯を取り出して何かしているわ。耳に当てたから電話かしら。長い間そうしていたけど、何も話さない。出なかったのね。


 そういえば、今日は休みなのに早いのね。でも今日は早く起きるような気がしてたわ。

 着替えた貴方、何処に行くの? 私も行くわ。


 一緒に来たのはあるお家。誰のかしら。チャイムを押すけど誰も出てこない。何度も何度も鳴り響くチャイム。すると、貴方の携帯が鳴ったわ。メールね。それを読んだ貴方、急に青ざめた。「どうしてだ」と呟いて来た道を戻っていく。そうね、帰りましょう。


 家に帰ってもずっと携帯を見ている貴方。そんなことしていないで私と過ごしましょうよ。そう言っても全然見向きもしないのね。今日のご飯はどうする? それでも貴方は何も言わない。


 夜になったも貴方は寝ているか携帯を見ているか。今日はご飯食べないのね。


 朝になっても貴方は元気がなさそう。何も食べずに一日を過ごす。



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