第112話:意外な救世主


ああっ・・・・


・・・


まさか・・・


・・・


・・・



「ム・・・ア・・・じぃ・・・」


私の瞳に写ったのは、白髭を蓄えた老人。


その老人は、私に向かってシワシワの笑みを浮かべた・・・。


後ろから抱き抱えられて、地面に着地する。


「ホホホ!相変わらず!なんてモチモチの乳じゃて!!」


私を抱き抱えるムア爺の手が、私の胸をモニモニと弄る!!


「こ・・の・・・エ・・・ロ・・・じ・・ぃ」


ムア爺は再び私に笑みを向けると、そっと地面に寝かせた。


隣ではミナが同じように横になっている。


ミナは嬉しそうに涙を流しながら私を見つめる。


「さて・・・」


ムア爺の左手が緑色に光り、その手をミナに添える。


ミナの身体に緑色の光が宿っていく。


・・・


「痺れがとれ・・・た・・・」


続け様にムア爺は、私の身体にその左手を添える。


段々と身体の痺れが引いていく。


「おじじ!!!!生きてたのね!!!」


目の前では、身体の痺れがなくなったミナがムア爺に抱きついている。


「ムア爺・・・、よかった・・・!」


胸の奥が熱くなり、私の目頭も熱くなる。


ムア爺は、八大将軍の一人、ガジュラ戦で傷ついた私たちを助けてくれて、かつモンスターの追手から、私たちを逃してくれた。


それだけではない。


私とミナが強力な精霊魔法が使えるよう、自分の魔力を分け与える"魔力刻印"も与えてくれた、いわば私たちの師匠のような人物だ。


かの結界戦争時、モンスター軍と互角に遣り合った冒険者の伝説的な人物。


本来ならば、尊敬すべきすごい人なのだが・・・


・・・


この老人は、とにかくエロい!!!


今も、ミナの胸に顔を包まれて、鼻血をたらしながら、この上ない笑顔を見せている!


「無事だったのね・・・」


ムア爺は私を見つめて、大きく頷いた。


「さあ、積もる話は後回しじゃ!まずはあの化物を討伐するぞい!」


「かの大戦時は、あんな八大将軍はおらんかったで。どうやら新顔らしいの・・・」


「ユラ、ミナ、どうじゃ、動けるかの?」


私とミナは、顔を合わせて大きくうなづく!


「はいっ!!!」


そして私たちは再び立ち上がった!


「さてと・・・、まずは奴をぶっ飛ばすかの・・・」


ムア爺は左手を天に掲げ、呪文の詠唱を始めた。

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