第111話:絶望からの・・・


「ぐっ!!!!!」


全身が痺れて、身体の自由が全く効かない!


辺りを見渡すと、みんなが同じように地面に伏している。


「ユ・・・ラ・・・」


同じく地面に伏して苦しむミナと視線が合う。


上空を舞うザリオンの羽音がドンドンと大きくなり、身体に当たる風圧も強くなっていく!!


離れた場所で横たわるリリスの身体に、白い糸が絡みついていく。


まさか!!


リリスを拐うつもり・・・!!


「な・・・、なんとか・・・しな・・・いと・・・」


でも、身体が動かない!!!


・・・


その時!!!


ミナが指先だけを動かし、なんとか放った小さな雷の光がマユの糸を焼き焦がす!!


・・・


キーーーーーーーーーーーーー!!!


・・・


「ぐ・・・」


怒り狂ったザリオンの叫び声に、頭が割れそうになるのを必死に堪える!


次の瞬間!


私の目の前で、ザリオンの脚がミナを掴み、そして投げ飛ばした!!


「ミ・・・ナ・・・・」


ミナが!!!


ミナがやられたっ!!!


ミナの安否を確認したいけど、身体が全く動かない!!


そして、私の身体を何かが掴む!!


くっ!!


ザリオン・・・、邪魔な私たちを先に・・・!?


ザリオンの脚に掴まれて、なす術もなく宙に浮かぶ。


・・・


「シ・・・、シト・・・」


・・・


次の瞬間!強烈な衝撃と共に私を風圧が襲う!!!


投げ飛ばされた!!!!


・・・


ダメ・・・!!


もう・・・、ダメか・・・!!!


・・・


その時っ!!!


私の身体を何かが受け止めた!!!


恐る恐る!目を開く!!


・・・


「よう頑張ったの・・・」


・・・


・・・


ああっ・・・・


・・・


まさか・・・


・・・


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