第100話:さてはエロいな

-- リリス&マーリ VS ザリオン 同時刻 --


(※シズク視点)


「・・・」


・・・


・・・


・・・


大樹の上に潜んでいた巨大な目玉のモンスターをジーーーと見つめる。


ギルムンドを殺し、そのまま彼になりすましていたザリオンという怪物。


八大将軍の一人・・・。


奴のペットらしいが、これまで不可視の結界でもはっていたのであろう。


ザリオンが結界を解いてからと言うもの、その十数メートルはあろうかと思われる巨大な黒の球体が丸見えだ。


まあ、球体を占めるほとんどが、巨大な目玉なのだが・・・。


そして、この黒目玉くろめだまはさっきから私の事を見つめて、目を充血させながら、目をパチパチ閉じたり開いたりしている。


確か精神支配が得意とか言っていた気がする・・・


・・・


「お前、私を幻術か何かにかけようとしているのか?」


・・・


・・・


は、その巨大な目玉を上下左右に激しく動かし、明らかに動揺している。


・・・


そして、黒の球体部分に大量の汗をかいている。


・・・


「幻術にかけようとしているな?」


・・・


黒の球体をさらに激しく汗で濡らしながら動揺している。


・・・


ジーーーーーー。


・・・


しばらく無言で目玉を見つめる。


私から目をそらしている黒目玉。


「こっちみろ。」


それでもこっちを見ようとしない。


・・・


「ふーーーん」


・・・


「ほれっ!」


私は思いっきりタンクトップを持ち上げてみる。


私の胸がぷるんっと揺れて丸出しになった。


ぐーーーん!!!


すごい勢いで黒目玉の視線が私に向けられた!


食い入るように私の丸見えのおっぱいを見つめる黒目玉。


どこかしら、その黒い身体が赤くなっている。


・・・


・・・


「お前・・・、さては・・・エロいな・・・」


・・・


その言葉に傷ついたのか!


黒目玉は、全身に生えている黒い触覚を伸ばし、私の身体にその何本かを巻きつけた。


黒の長い触覚が、私の胸やウエスト、お尻に絡みついていく。


・・・


「フーーー!フーーー!フーーー!」


・・・


変な息遣いになる黒目玉。


・・・


・・・


ジーーーーーー!


黒目玉を見つめる。


・・・


「お前・・・やはりエロいな・・・」


慌て始める黒目玉。大量の汗を流している。


・・・


・・・


隙をついて、黒目玉の触覚が私の胸を弄る。


・・・


「あん・・・・」


思わず声をあげてしまう。


ビクっ!!!!


黒目玉は、私の反応に明らかに動揺している。


黒の触覚の先っぽが、優しく私の胸の先を突く。


「あんっ!」


ビクっ!!!!


黒目玉は、また大きく身体を揺らして動揺している。


・・・


ジーーーーーー!


・・・


また触覚で私の胸を突こうとしる黒目玉を見つめる。


・・・


「お前・・・、やっぱりエロいな。」


慌てる黒目玉。


「はあああ・・・」


「ごめん。ちょっと今は遊んでる暇はない。」


私は大きなため息をつき、黒目玉に話しかける。


そして、あっという間に触覚の束縛からすり抜けて、黒目玉の上に飛び移った。


「今度は私にちょっと付き合ってくれ。」


1本目のを太ももから抜き、黒目玉の頭の上に刺す。


そして、素早く移動して、残り4本のクナイを、同じように間隔を置いて黒の球体に刺していく。


クナイ程度ではダメージがないのか、黒目玉はなんともないように、私を触覚で追いかけてくる。


その触覚をかわしながら、ちょうど頭の上に刺した、初めの1本のクナイの箇所に移動する。


「ドルスキン殿に教えてもらった使い方はあってるはずなんだが・・・」


クナイに軽く触れ、教えてもらった言葉を放つ。


「斬!!」


・・・


その瞬間、刺さっているクナイが光り輝き、クナイ同士を細い光の線が繋いでいく。


そして、5本のクナイの光が繋がり星型を形成したかと思うと、


ザシュ!!!!


黒目玉の巨体に見事に星型の亀裂が入り、大量の血しぶきが舞い上がった。


「グギャーーーーーー!!!!」


黒目玉の断末魔が響く。


その光景を、大樹の枝に飛び移り見つめる。


「魔剣"飛光ひこう"、恐るべし・・・」


この5本のクナイは、小さいながらもである。ドワーフの長のドルスキン殿からいただいたものだ。


その効果は、対象物に刺したクナイ同士が光の線で繋がり、その光の線がとんでもない切れ味の光の刃となって対象物を斬る。使い方によっては、巨大なモンスターもこの5本のクナイで斬ることができる。


ドゴーーーーン!!!


ものすごい音を立てて地面に落ちた黒目玉は、大きな傷口から大量の血を流し、ピクピクと痙攣している。


・・・


私は、木の枝を飛び移り、地面に横たわる黒目玉の上に飛び移る。


今にも生き絶えそうな黒目玉の巨大な瞳が、私の方にギョロッと向いた。


・・・


ジーーーー。


黒目玉を見つめる。


・・・


・・・


「お前、今パンツ見てるだろう?」


・・・


巨大な瞳が嬉しそうに曲がり、その球体を赤く染めた。


・・・


「お前、なかなか楽しかったぞ。」


・・・


その巨大な目玉のモンスターはゆっくりとその瞳を閉じた。

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