僕のパーティは最強の人妻パートさんで成り立っている！

第99話：紅の狂戦士

(※リリス視点)

「狂戦士！！！アマゾネスの血だーーーーー！！！！」

光のオーラを剣と身体に宿したマーリの叫び声が響き渡る。

その身体は赤く、筋肉がひと回り肥大化している。

アマゾネスの一部の者にしか使えないと聞く、超肉体強化術。

そう、マーリはエルフ族とアマゾネス族のハーフなのだ。

強化術を使ったアマゾネスは、短期間だが元々の能力の数倍もの力を発揮すると言われている。

合わせて私の光の強化術とのコンビで、今やマーリは光の狂戦士へと化している。

そのマーリをみて、大きく目を見開くザリオン。

私はそれを横目に、後方へと走り出す。

「お願い・・・、マーリ！！！」

光のオーラを纏い、身体から蒸気を発しているマーリを見つめる。

「ザリオン！！！お前は絶対殺す！！！」

マーリが叫ぶ！！

マーリの口調が乱暴になっている！

強化術を使っているアマゾネスは、とても気性が荒くなる。

目の前のマーリは、普段の物静かな彼女とは全く違っている。

ザリオンは目をひそめながら、右腕をマーリに向かって構えた。

その手に黒い魔力弾が浮かび上がり、いくつもの魔力弾がマーリに向かって放たれた！

ドゴーーーーーーン！！！

マーリの周りで、大きな爆発が起こり、砂煙が宙に舞う！！

「マーーーリ！！！」

・・・

っ！！！

次に私が目にした光景は、意外なものだった！

魔力弾が直撃したと思われた場所にはすでにマーリの姿はなく、一瞬でザリオンの懐に飛び込み、その右腕を光の剣で叩き切っている。

ザリオンの右腕が宙に舞い地面に転がる！

右腕の切られた箇所を抑えながら、苦悶の表情を浮かべて、大きく後方に飛ぶザリオン！

しかし、その距離すらも、今のマーリは一瞬で詰めている！

後方に飛んでいるザリオンに向かって、空中で剣を振り下ろすマーリ！！

私の目では、その剣戟のスピードを追いきれない！！

後方に飛んだはずのザリオンの身体は、大きな血しぶきをあげ、何個かのパーツに切り刻まれた！！

そして、空中で切り刻まれたザリオンの身体は、バラバラと地面に落ちていく！！

「おおおおおっーーー！！！！！！！」

地面に着地したマーリは、光の剣を天に掲げ、雄叫びをあげる！

耳を裂くようなマーリの雄叫びが辺りに響き渡った。

その美しく気高き狂戦士の戦いに、私の目からは涙が溢れた。