僕のパーティは最強の人妻パートさんで成り立っている！

第93話：生理的にムリっ！

(※ユラ視点)

「キャハハハハ！ウマッ！ウマッ！コイツラモウマ・・ソウ」

一体が奇声をあげる！

「アノチチカラ・・・チヲスウ・・・、ゲヘゲヘゲッ！」

もう一体がゆっくりと近づいてくる！！

「ユラ、ごめん！こいつら生理的にムリっ！！」

ユラが私のマントの裾を掴む。

「ううっ！気持ち悪い！私もムリーーー！！」

私もミナのローブにしがみつく！！！

ふと、ミナが何かに気付き、私に向かって耳打ちをする。

私はミナの前に立ち、ゆっくりと近付く二体のモンスターに疾風のロッドを構える。

疾風のロッドに魔力を流すと、ロッドの先についたエメラルドが緑色に輝く。

この風属性のロッドは、私の魔力を吸い取り、風を操る力へと変えてくれる新しい武器だ。

ドワーフの長、ドルスキンさんが自ら開発してくれた至高の武器だ。

「風の精霊！力を貸して！」

私の叫び声と共に、二体の吸血種の足元で竜巻が舞い上がる。

風の竜巻に動きを封じられている二体のモンスター。

「ミナっ！！！！」

「地の精霊！お願い！！」

「グランドシェイクーーー！！！」

地面に両手を着き、ミナが叫ぶ！

その時、

ゴオオオオオ！！！

二体のモンスターの足元から、鋭く尖った岩が突き出した。

その巨大な尖った岩は、二体のモンスターの胴体を捉え、真っ二つに身体をへし折る！！

鋭い岩に、真っ二つになった身体が張り付いている。

この新しい地属性の精霊魔法も、ムア爺がよく使っていた魔法らしい。

リリスから聞いて、ミナはミナで鍛錬に励んでいた。

「やった！！！」

「ムリーーー！至近距離で戦うとか絶対ムリ！！近くに寄りたくない！！」

ミナが喜ぶ！

「ナイス！ミナ！！！！」

私とミナはハイタッチする。

・・・・

・・・

「キャハハハハ・・・！」

「カラダ・・・ドコ・・・・？」

私たちは、一瞬顔を見合わせてゆっくりと振り向く。

そこには、私たちの全身の毛を逆だてる恐ろしい光景が目に入った。

一体の身体は、腹部から上半身と下半身に真っ二つに切り裂かれていた。

驚くべき事は、それぞれの切り口から、複数の赤いイモムシのような虫がワシャワシャと数えられない程、大量に湧いて出てきて、上半身と下半身を引っ張っている。

やがて、虫たちはそれぞれの身体を引っ張り合流し、その後何ごともなかったように傷口を修復している。

ゆっくりと立ち上がり、こちらを見つめる！

その赤い目は生きているモノとは思えない程、ただ赤い丸がついているだけのようで、まるで生気が感じられない！！

「チ・・・ドコ・・・？」

もう一体に関しても身体の飛び散った破片を、それぞれの赤い虫がワシャワシャと引き合い、もと通りに修正している。

しかし、下半身の向きが逆に修復されており、その気持ち悪さに拍車をかけている！！！

「チチチチ・・・・カラダ・・クッツケ・・・」

こちらにゆっくりと近づいていく二体のモンスター。

「キャーーーーー！！！！絶対ムリムリムリムリ！！！」

ミナが手で頭を押させて横に激しく降っている。

「うそ・・・、不死身なの・・！！！」

「あの身体は虫でできているの？」

私は全身に鳥肌を立てながら呟く。

「ムリムリムリーーーー！！！！」

私たちは涙目で抱き合いながら、ゆっくりと近づいてくるモンスターを見て泣き叫んだ！！