第89話:キュンとしたお姉さん
手を振っているムツキさんが見える!
「よかった!!!!」
真っ黒に焦げた右腕がジンジンと痛む。
「ムツキさーーーーん!!!」
左手でムツキさんの合図に答える。
スカイハイとの戦いでも、姿を変えたムツキさんを見た。
あの姿は姿でとってもかっこいい気がする。
これで全盛期の力じゃないなんて、本当に信じられないくらいに強いと思う。
そんなことを考えながらムツキさんに近付いていく。
ムツキさんに近付くに連れて、ムツキさんの身体が元の姿に変化していく。
「よかった・・・」
「無事みたいだ。」
・・・
・・・
ムツキさんに近付くと、身体の至るところにある傷が目に止まる。
「シトっ!!!!!」
突然、ムツキさんが僕に飛びついてきた!!!
「助けにきてくれたのね!!!」
ムツキさんの胸の中に僕の顔が埋まる!!!
「ちょっ!!ムッ!ムツキさん!!!」
あああ・・・・
この胸のモチモチ感がとっても懐かしい気がする。
なんてっ!
なんてっ!!!!
なんて柔らかくてモチモチなんだ!!!
ムツキさんが僕を身体から離し、ジーと顔を見つめる。
・・・
「ちょっと、あの登場の仕方はズルいぞ!」
「お姉さん、キュンとした!!」
・・・
うっとりとした表情で僕の顔を見つめるムツキさん。
「もう・・・」
「これは私からのお礼・・・」
ムツキさんの唇が僕の顔に近付いてくる。
視線をずらすと、ムツキさんの巨大な胸の谷間が見え、さっきの全裸のムツキさんの胸を想像してしまう。
・・・
ああっ・・・
・・・
ムツキさんの紅の瞳に見つめられると、なぜか頭がボーとしてしまう。
ムツキさんの唇が近付いてくる。
・・・
「ムッ、ムツキさ・・・」
その時に
パクっ!!!!
ムツキさんの唇が僕の唇に触れる前に、僕の視界は真っ黒になった!
そしてなんだか生臭い!!!
「シロちゃん・・・邪魔・・・」
暗闇からムツキの声が聞こえる。
ゆっくりと視界が明るくなっていく。
目の前には、うっとりとした表情で僕を見つめるムツキさんが・・・
後ろを振り向くと、
シロちゃんが!
シロちゃんは僕によく噛み付くが、牙を立てたりしない。
僕の顔を長い舌でチロチロと舐めまわした。
「シロちゃんも無事で何より!」
僕は照れながら、シロちゃんの頭を撫でた。
神秘の森へ向かったチーム、ユラさん、ミナさん、リリスさん、マーリさん、シズクさんは無事だろうか・・・
「ムツキさん、みんなの元へ・・・」
「神秘の森へ急ぎましょう!」
「そうね・・・」
「あっちの作戦は今日の夜更け。私たちもなんとか間に合うはず。」
・・・
「でも・・・、まずは少しの休息よ。」
ムツキさんの手が、僕の黒焦げになった右腕をそっと撫でる。
安心したのか、身体の力が抜けていく・・・
そんな僕をムツキさんが優しく支えてくれた。
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