第84話:ムツキの危機

(※ムツキ視点)


目の前から剣を振りかざして迫るスケルトン三体を槍でまとめて破壊する。


「ハア!ハア!ハア!」


さすがにこの数のスケルトンを相手にするとしんどい!


「キーーーヒヒヒヒヒヒヒ!!」


「どうした?動きがだいぶ鈍くなっているぞ。」


「うるさいわねっ!!」


「ちょっと待ってなさいよ!今、その顔面に強烈なの叩き込んであげるから!」


「もっと、もっと!その美しい顔を苦痛に歪ませてやる!」


・・・


「チッ!心の底から楽しんでやがる!」


ダークエルフが召喚したスケルトンが、ワサワサと地面から湧き出て、ひたすらスケルトンの相手をさせられている。


そして私のスキをついて、気配を消したダークエルフが短剣を投げてくる。


死角からの短剣の投てきは私の身体を徐々に傷つけ、身体のあちこちから血が滴っている。


「ハア!ハア!ハア!」


こういうイヤらしい戦いをする輩は正直大嫌いだ!!


「そろそろこれも飽きたな!次の遊び相手を準備してやろう!!」


「キーーーヒヒヒヒヒヒヒ!!」


ダークエルフのイヤらしい声が響く。


「いい加減に姿を現しなさいよ!!」


「それは最後のお楽しみだ!動けなくなったお前さんを最後に思う存分いたぶり楽しんでやる!」


・・・


「本当に陰気な性格してるわ・・・」


せめて!居場所がわかれば!!!


おそらくダークエルフは複数体存在している。


そして気配を立つ何かしらの闇魔法をかけている。


私が全く居場所を探知できていない!


目の前では、紫色の魔力の塊が3つほど浮かび上がり、辺りに散らばったスケルトンの骨が、その紫の塊に吸い込まれるように集まっていく。


「キーーーヒヒヒヒヒヒヒ!!さて今度は、どんな表情で俺たちを楽しませてくれるかな?」


「まさか・・・」


・・・・


目の前で、あっという間に骨が集まり、巨大なスケルトンドラゴンが三体ほど完成した!!


「三体・・・、こいつら・・・」


目の前の三体のスケルトンドラゴンは、首を大きく振り、唸るような咆哮をあげる。


「チッ!また熱いブレスか!!!」


炎のブレスを防ぐために、目の前に魔力防壁を展開する。


一匹のスケルトンドラゴンが、首を大きく振り紫の炎のブレスを吐き出した!!


「アツッーーーーー!」


炎を受け止めると同時に、魔力防壁が砕け散る。


そして二匹目のスケルトンドラゴンの炎のブレスが私に迫る!!


なんとか横に大きく飛び移り、その炎をかわす!!!


その瞬間!


グサッ!!!!


ツッ!!!!!


着地と同時に、私の太ももに、ダークエルフの短剣が突き刺さった!!!


「しまった!!!


「着地を狙われた!!!」


「キーーーヒヒヒヒヒヒヒ!!いいぞ!いいぞー!その表情!!」


ダークエルフの声が聞こえる。


動けない私に向かって、三体目のスケルトンドラゴンの炎のブレスが迫ってくる!!!


やられる!!!


私は思わず目を伏せ、身体を強張らせた!!!

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