第83話:的中!嫌な予感!

僕のミスだっ!!


・・・


ユラさんに、もっと詳しく伝えておけばよかった!!!


ギルムンドとダークエルフの会話を、ユラさんに正確に伝えなかった事を激しく後悔する!!


僕の腕に巻きついた小さい白ヘビのチビちゃんが顔の向きを変えて、僕をムツキさんがいる方向へと誘う。


ハア・・・


ハアハア・・・


・・・


・・・


走っていた脚を止めて、僕はその場に立ち止まった。


・・・


チビちゃんが振り向いて、僕の顔を不思議そうに見つめる。


・・・


・・・


「うわああああああああ!!!!」


ドゴーーン!!!!!!


・・・・


僕は近くの大木に思いっきり頭突きをした!!!


頭に激痛が走る!!!


「イッターーーーーイ!!」


腕に絡みついているチビちゃんが、驚いてバタバタと首を動かす。


「ぐうううう・・・」


頭を抱えてその場にうずくまる。


・・・


・・・


勢いよく立ち上がる!!


「ムツキさん!!!今いきます!!!」


「チビちゃん!案内して!!」


僕は再び全速力で走り出した!!




◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


(※ムツキ視点)


「クッ!!!」


死角から飛んできた短剣が、私の腕をかすめる!!


「しまったわ・・・、一体じゃなかったのね・・・」


切られた腕から、血が滴る。


「ククククッ」


どこからともなく、下品な笑い声が鳴り響く。


そう、さっきからダークエルフの気配を複数感じる。


しかし、私の視界にその姿は見えない。


「いい表情をするようになったじゃないか・・・」


「私の靴を舐めて、下僕になるというなら助けてやってもいいぞ・・・」


「キーーーヒヒヒヒヒヒヒ!!」


目の前にダークエルフが姿を現した!!


「このっ!!!!」


猛スピードで駆け寄り、槍を伸ばす!


ザッシュ!!!!


・・・


しかし、そこにはダークエルフの姿はなく、全く別の方向から飛んできた短剣が私の太ももを傷つけた!


切り裂かれた傷から血が滴る。


「キーーーヒヒヒヒヒヒヒ!!」


「さあ、お楽しみはこれからだぞ!!!美しい顔が歪む姿をもっと見せておくれよー!!!」


「このーーーー!!気持ち悪いんだよ!!!」


私は再び、見えない敵に向かって槍を構えた!

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