第9章:神秘の森のエルフ
第68話:4人の美女と・・・
(※キングス大陸/北部のモンスター領域/中央に位置する"エクリプソ城"内にて)
「王よ。放っておいた使い魔からの報告がございます。スカイハイの魔力が消滅したとのこと。どうやら憎きベリエルの力を持つ者に滅されたよう。」
玉座に座る大きな影に向かい、もう一つの影が玉座に向かって
・・・
「ナージャはどうした?」
・・・
「消息がつかめぬよう」
・・・
「まとめて消せ・・・」
・・・
「御意」
跪いていた影が立ち上がり、一瞬で消え去る。
「エルフどもの始末はどうだ・・・」
別の跪いている影が答える。
「ヤツめが抜かりなく」
・・・
「結界の破壊を早急に進めよ」
・・・
「はっ!後はキーの存在かと・・・」
「忌々しいベリエルめ・・・」
玉座に座る巨大な影が、一際大きく揺らめいた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
(※神秘の森を目指すシトたち)
ガルガン山を出発した僕たちは、進路を南に取り進行していった。
ムア爺がくれた地図に記された場所にだいぶ近付いてきた。
僕たちはその地図にも記されていた、フェローナという街で、今晩は休息をとることにした。
宿を取り酒場で夕食を取っている。
酒場にはヒューマンたちがチラホラといるが、まるで活気が感じられない。
「はいっ!どうぞ!」
髪を三つ編みにして、白のシャツとホワッとしたミニスカートを履いたエプロン姿の女の子が、食べ物と果実酒を運んでくれる。
「これがフェローナ名物の、レッドバードの丸焼きになります!」
目の間には、真っ赤な色をした鳥の丸焼きが、ドスンと置かれる。
ユラさんの目がキランと輝く。
「ここから数十キロ先に、この街の由来にもなったフェローナの森と言われる森があります。このレッドバードは、フェローナの森にしか生息していない珍しい鳥なんですよ。」
「レッドバードは、辛い木の実を好んで食べるので、そのお肉の味も辛くてパンチ力があります!とっても辛いので気をつけてくださいね!」
「では、ごゆっくりどーぞー!」
配給係の女の子はウインクしながら去っていく。
「いただきまーす!」
僕たちは一斉に食事を始めた。
ユラさんは、レッドバードの丸焼きを頬張る。
「こっ、これは!!」
「ブラックバードの丸焼きに負けず劣らず美味しい!!!この後からくる辛さがなんとも!!」
顔を真っ赤にしてモシャモシャと食べるユラさん。
シズクさんは、相変わらず一点を見つめて食事に励む。
肉をハムハム食べては、果実酒をゴクゴクと飲み続ける。
「お姉さん!もう一杯ーー!!」
ミナさんはすぐに果実酒をあけ、配給係さんを大声で呼ぶ。
「からーーーい!!!!」
ムツキさんは、肉を食べた後、涙目になり舌を出す。
辛いのが苦手なのだろうか。
その表情がかわいいらしい!
・・・
「しかし、人が少ないわよね・・・」
ユラさんが肉を頬張りながら辺りを見渡し
「夕食時なはずだけど・・・」
ミナさんもコクリと果実酒を飲み、辺りを見渡す。
ちょうど追加の肉を持ってきた女の子にユラさんが聞く。
「食事時なのに、なんだか人が少ないみたいだけど何かあったの?」
女の子は一瞬慌てたふりをして、こっそりと顔を近づけて囁いた。
「実は最近、フェローナの森に行って戻ってこない人が多いのです。始めは本当に少ない人数で、みんなもあまり気にしていなかったのですが、それがドンドンと増えていき・・・」
「今では、狩りや探索をしていた狩人のほとんどがいなくなってしまっています。ちょうど先日、屈強な男たちが調査に出かけたところなんです。」
「なのでこの街も活気がなくなっていて・・・、狩人がいなくなってしまったので、この店のレッドバードも残り少なくなっているんですよ。」
「おーい!レッドバード追加であがったよ!」
キッチンから女の子を呼ぶ声がする。
「はーーい!!」
女の子はキッチンに向かって元気よく返事をして、僕たちの方に再度振り向く。
「みんなピリピリしていて・・・、今はフェローナの森には近づかない方がいいですよ。」
女の子は、そういうと足早に立ち去って行った。
「怪しいわね・・・」
ユラさんが、鳥の骨を口から出し眉間にシワを寄せる。
レッドバードの辛さで、みんなはかなりの汗をかいている。
汗をかいたシャツが肌に張り付き、みんなの大きな胸をより一層目立たせている。
僕は卓上にのっている、女性陣の大きな胸が気になってしょうがない。
「シト・・・」
ジーーとユラさんが僕を見つめて、ホークを突き立てる。
「はっ、はい!」
みんなが僕に向かって笑みを浮かべる。
「ほんとおっぱい好きよねーー!」
ムツキさんが僕の頰をツンツンとしてきた。
自分の視線に気づかれた事が恥ずかしくて下を向く。
みんなは、またこれからの事について話し始めた。
改めて見ると、とてもキレイで強い女性ばかりだ。
ユラさんは、長い黒髪を後ろで一つに縛り、黒縁のメガネをかけている。
風属性の魔法や回復魔法に長けていて、いつも僕の傷を癒してくれている。
そしてムア爺から、森の精霊魔法が使える魔法刻印も継承されている。
いつも冷静でチームをまとめてくれるお姉さん的存在だ。
道具屋のパートをしていたけど、なぜか僕のパーティーに入ってくれた初めての女性だ。
本名はユラ・ハーンという。
旦那さんはガジュラに強襲されて亡くなってしまっていた。
ガジュラを倒した後のユラさんは、明るくなった気がする。
ミナさんは、金色のフワッとした長い髪と、褐色の肌を持つ妖艶な女性だ。
いつも黒のTバックと、小さいブラジャー姿で目のやり場に困る。
シズクさん情報だと、一番胸が大きいらしい!!
そして驚くべきことに、ミナさんはローランド帝国の王、ローランド三世の13番目のお妃様でもある。
ただ、王様はいつも忙しくて、ほとんど相手をしてくれなくて寂しいらしい。
ミナさんの本名は、ミナ・イージスといい、エルフのクォーターとのことだ。
雷と闇、2つの属性の魔法を使いこなし、ムア爺から地の精霊魔法が使える魔法刻印も継承されている、凄腕の魔道士だ。地の精霊、ゴーレムのゴレさんを召喚できる。
シズクさんは、黒の長い髪をポニーテールのようにまとめている。
ユラさん、ミナさんよりも小柄な女性だ。
スレンダーな体型にも関わらず、タンクトップから覗く胸は大きく、ミニスカートから伸びる脚はほっそりしており、抜群のスタイルだ。
剣術、体術に長け、異国の肉体強化の術も使う。
そして、僕の師匠でもある。
別れてしまった旦那さんとお子さんがいて、お子さんにいつか再開することが目的らしい。
ドワーフの長、ドルさんが打った水属性の魔剣"
そしてこの人は、絶対、変だ!
相当の天然だ!
独特の行動や言動に、ついていけない事がたくさんある!
ムツキさんは、ガルガン山から加わった女性だ。
青い髪は腰のあたりまであり、紅の瞳が印象的だ。
肌は透けるように白く美しく、身長はミナさんよりも若干高い。
ミナさんに引けを取らない大きな胸と引き締まったウエスト、そしてそこから滑らかな曲線を描く、大きくてプリッとしたお尻がとても妖艶だ!
僕らの仲間になってくれたが、実は元八大将軍の一人でもある。
シロちゃんという白ヘビを召喚している。
僕に女性を絶頂させる恐ろしい技、ムツキ・スペシャルを伝授してくれた師匠でもある。
とても優しく、その紅の瞳に見つけられると、意識がいつもボーとしてしまう。
ムツキさんは同じく八大将軍だったベリエルさんを愛している、とても純粋な乙女のように感じる。
僕とベリエルさんの関係はわからない。
でも、いつかベリエルさんに会えるといいなと思う。
僕はユラさん、ミナさん、シズクさん、ムツキさんを一人一人見つめる。
その美しさにやっぱり顔が赤くなってしまう。
でも、みんな何歳ぐらいなのだろう?
30歳前半ぐらいかな・・・
みんなが話している姿に、この上ない幸せを感じてボケーとしてしまう。
「みんな、何歳ぐらいなのかな・・・?_」
・・・
・・・
みんなの視線が僕に向く。
「あっ???????」
全員が眉間にシワを寄せて僕に顔を近づける。
しまったっ!!!!!
声に出ていた!!!!
心の中の声が漏れてしまった!!!!
「シトさーーん!前にも話しましたよねー!!!それは女性に聞いて良いことですか???」
ユラさんが僕にヘッドロックをかける。
大きな胸が僕の頰に押し付けれる!!!
痛いっ!!!
でも、なんて柔らかくてモチモチなんだ!!!
「シト、私、そんな・・・恥ずかしくて言えない・・・」
ミナさんが、わざとらしく視線をずらして、恥ずかしそうな態度を見せる。
「当ててみよ。弟子よ。外した時は覚悟しろ。」
シズクさんが、僕の腕に胸を押し付ける。
「私はほら・・・。う・・ん、ヒューマンでいうと18歳ぐらい???」
ムツキさんが頰に手を当てて首を傾げる。
「ウソつけっ!!!!」
ユラさん、ミナさん、シズクさんから同時にツッコミが入る。
僕はみんなにいじられながらも心から嬉しくなる。
僕はみんなと一緒にいたい!
こんな素敵な女性に囲まれて・・・
昔の僕からは信じられない・・・
・・・
・・・
何があっても、僕がどうなろうとも、みんなを守る!
「女たちを守れ・・・」
夢の中のベリエルさんの言葉を思い出す。
わかりました!
ベリエルさん!!頑張ります!!
僕は心の中で返事をした。
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