第59話:激闘!炎の怪鳥!②

スカイハイが怒り狂って、大きな翼を広げたその時・・・


その翼から辺り一面に、数えきれないほどの炎の羽が撒き散らされた。


「まずいっ!!!」


「うわあああああ!!!」


かわしきれない!


僕の右太ももを炎の羽が貫いた!


「熱いっ!!!!」


すぐさま、炎の羽を引き抜き、バタバタと炎を消す。


「痛いっ!」


太ももが黒く焦げている。


辺りを見渡すと至る所に炎の羽が突き刺さり、そこから炎が燃え上がっている。


翼を広げたままのスカイハイに、ゴレさんが飛びかかる。


その衝撃で再び地面が大きく揺れた!


「シトっ!大丈夫?」


シズクさんの声に振り向くと、シズクさんも右腕を抑えている。


シズクさんの右腕も、やはり同じように黒く焦げていた。


僕たちはお互いの視線を合わせて頷く。


「ミナさんとドルさんは???」


辺りを見渡す。


ドルさんを視界に捉える・・・・


「ドルさんっ!!!」


・・・


・・・


そこには、ドルさんの後ろで目を見開くミナさん。


ミナさんの前にはドルさんが両手を広げて立ち塞がっている。


しかし、ドルさんの身体には無数の炎の羽が刺さっており、ドルさんの身体を焼いていた。


僕たちも急いでドルさんの所に駆け寄る。


「ぐむぅぅぅ・・・」


ドルさんは、唸り声をあげてそのまま後ろに倒れた。


ビルドアップ(肉体強化)して肥大化した姿が元のサイズに戻っている!


「・・・、ドルさん!!!」


ミナさんが涙を流しなら、ドルさんの身体に刺さった炎の羽を引き抜いている。


その手はすでに黒く火傷を負っていた。


ミナさんはそんな事はお構いなしに燃え盛る羽を次々と掴む。


「ミスったわい・・・」


「ドルさんっ!!!」


ドルさんの身体は至る所が黒く焦げており、ひどい火傷を覆っていた。


その時、大きな衝撃音がし、地面を大きく揺らす。


スカイハイは、ゴレさんをその巨大な爪で引き裂いている。


見るも無残に切り裂かれ、崩れ落ちるゴレさん。


スカイハイは再び翼を大きく広げようとしている。


「まずいです!!!またあの炎の羽が飛んでくる!!!!」


僕とシズクさんは、ドルさんとミナさんを守るように、スカイハイと対峙する。


まさに炎の羽が発射されそうなその時!


空中から、ローザさんがバトルアックスを振りかぶり、スカイハイに斬りかかった!


その身体はすでに赤く、肉体強化を使っていることがわかる!


「よくもーー!よくもーー!!ドルをー!!!!うおおお!!!」


ザシュッ!!!!!!


その一閃は見事に、スカイハイの翼を切り落とした!!!


「ギャアアアアア!!!!」


スカイハイの叫び声が響く。


「こっ、この!女ーーーー!!!!!!!」


スカイハイの巨大な鋭い爪が、ローザーさんを捉える。


ローザさんはバトルアックスで受け止めるも、衝撃を抑えることができずに、ものすごい勢いで吹き飛ばされ、岩壁に激しく身体を打ち付けた!!!


口から血を吐き、地面に落下するローザさん。


「ローザさんっ!!!!!!」


・・・


・・・


「ハア、ハア、ハア、ハア!!」


片方の翼を失ったスカイハイの息遣いは荒く、その場で項垂うなだれている。


そして次の瞬間、また奇声と共に大量の魔力を放出した!


強大な魔力がスカイハイを包み、その魔力の柱が天を貫いた。

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