第57話:魔道士の復活

(※ユラ視点)


「ううっ・・・・」


ゆっくりと目を開けると、そこにはソレアさんの泣きそうな顔があった。


「ユラさん!!よかった!!」


ゆっくりと身体を起こして辺りを見渡す。


遠くでは、アマゾネス、ドワーフと獣人・竜人が激しく戦っている。


私の周りには、数人のアマゾネスが背を向けて武器を構えている。


どうやら守ってくれていたようだ。


突然現れたあのスカイハイというやつに、何もできずに叩きのめされた。


私とミナは魔法を発動する暇もなかった・・・


・・・


・・・


「そうだ!ミナは????」


・・・


「今、起きたわよ・・・」


隣のアマゾネスの膝枕から、ゆっくりと身体を起こすミナ。


傷を負った私たちを、ソレアさんたちが回復薬で癒してくれていた。


「みっ、みんなは?」


段々と意識がはっきりしてきた私たちに、ソレアさんが状況を教えてくれる。


「私たちが人質になったせいでドルさんが・・・・」


不甲斐ない自分が情けない・・・


「ムツキ・・・、また新しい女が登場したのね・・・」


ミナのいつもの色ボケを無言で流す。


「下ではスカイハイを、先ほど説明したムツキという女が抑え撃っています!シト、シズクさんはドル様を回復してくれたようです。この場は私たちに任せて、下の援護に向かってください!」


「あのスカイハイというモンスターを倒すには、お二人の魔法が必要かと!」


ソレアさんが説明する。


「ここは任せろ!あの人の力になってくれ!」


獣人を叩き切ったローザが、私たちに向かって叫ぶ。


私はローザに大きく手を振って答えた。


「ミナ、魔力は?」


「完全とは言わないけど、だいぶ回復したわよ。」


「よしっ!まずはシトたちと合流するわよ!」


ミナは大きく頷いて立ち上がる。


私とミナは、ソレアさんとアマゾネスたちにお礼をして崖の淵に立つ。


「フロート!!」


私とミナの身体を浮遊魔法の光が包む。


「やるしかないわ!行くわよ!」


「第2ラウンドと行きましょうか!」


私とミナは、崖から飛び降りた。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


「シトーーー!!!シズクーーー!!!!」


私たちは、ドルさん、シト、シズクの場所にたどり着いた。


「シトーー!!生きててよかったー!」


ミナがシトを抱きしめる。


ミナのでかい胸に顔を挟まれたシトは、バタバタと手を動かしている。


「ドルさん、すいません・・・。私たちが捕まってしまったばかりに・・・」


手で制止するような素ぶりをするドルさん。


「よいて!みなまで言うな。それよりじゃ、あのスカイハイをどうにかせにゃならん!戦っているあの女は、八大将軍の1人じゃが決して敵ではない。ベリエルを慕っていた者じゃよ。」


「しかし、ナージャ・・・、いや今はムツキじゃったの。なぜ本来の姿にならん。もしや何かしらの理由で奴は本来の力を発揮できんのかもしれん。仮にそうなら、戦況的には圧倒的に不利じゃ!奴を少しでも援護するぞい!」


私たちはドルさんの指示に耳を傾ける。


その時、巨大な怪鳥の鳴き声と共に、大きな爆発音が響いた。

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