第49話:女子トーク

(※ユラ視点)


「ふぅ・・・・、生き返るわ・・・・・」


「ああ・・・、気持ちいい・・・・」


「心と体にしみる・・・」


私たち3人は温泉に浸かりながら、それぞれ声を漏らす。


なんと、この秘密基地には、ガルガン山の源泉を引いた天然の露天風呂があった。

夕食を食べながら、ドルさんからこの話を聞いた時、私たち3人は抱き合って喜んだ。


「シト殿は我々と共に、男の絆を深めましょうぞ!!!!」


シトはマッチョ集団ドワーフたちに連れられて、男湯に連行されていった。


私たちは、涙ぐむシトを引きつった笑顔で見送った。


ミナが温泉に浸かりながら、樽から果実酒をグラスに注ぐ。


「やっぱりお風呂にはこれよねー!」


ミナがウキウキしている。


周りの美女たちも果実酒を飲んだり、身体をマッサージしている者などそれぞれだ。


そう、ここには先客がいたのだ。


ローザ率いるアマゾネスの美女集団である。


ローザに声をかけられて、私たちはローザの近くで温泉に浸かりながら果実酒をいただいている。


「今晩は旦那との久しぶりの夜なんじゃないの?」


ミナが果実酒をゴクリと飲みながら話しかける。


「ふん。旦那か・・・・」


ローザはグラスの縁を指で撫でながら口を開いた。


「私が勝手に言ってるだけだ。正式な結婚などはしていない・・・。」


・・・


・・・


・・・


「なんかごめん・・・」


聞いてはいけない質問をしてしまったと思ったのだろうか。珍しくミナが謝る。


ローザは顔をあげて私たちを見つめる。


「構わないさ。旦那と思っているのは私だけだ。いつまでたっても子供扱い。あの人にとって、私は娘みたいなもの・・・。」


「昔、子供の頃にモンスターにさらわれてね。母の友達だったあの人が、助けに来てくれたよ。返り血を浴びながら、私に向けてくれたあの笑顔・・・、私はそっからゾッコンさ。」


ローザは口の端を少し曲げながら話す。


・・・


「でも、あの人にとっては、私は友達の娘・・・」


・・・


・・・


「そうだったのね・・・」


ミナがグラスを傾けながら話す。


「いいんじゃない・・・。そういう関係でも。」


「アナタがそれで幸せならね。追いかけるのも女の幸せだと思うけど・・・」


ローザが果実酒を飲みながら、ミナを横目でみる。


「ふん。乳でか女がいい事を言う。」


「あんただって、すごいおっぱいじゃない!」


ミナが温泉にプカプカ浮いているローザの巨乳を指差す。


その時・・・・


「あんっ!!!!!」


シズクがローザの大きい胸をこれでもかと揉み始めた。


「うむ、デカさかはミナの僅差!」


「モチモチ度は・・・・、うん、ユラの勝ち。」


「しかし、この乳首の色とカタチ、そして感度。なんと美しく素晴らしい。ローザの勝ち」


シズクはローザの胸の先を指でクリクリしている。


「以上、本日の乳判定!!」


シズクは満足そうに、手をニギニギしている。


「なっ、何をする!!!!」


ローザが胸を隠しながら、顔を赤らめる。


「あー!いつものことだから気にしないで。」


私は、ローザに向かってササッと手を降る。


・・・


・・・


「あははははっ!!!」


私たちはお互いの顔を見ながら声を出して笑った。


「まあ、シトは私の愛人にする。あの技は、女にとっては至極の技だぞ。」


ローザが思い出しているのだろうか。唇に指を当てて、顔を紅潮させている。


「ちょっと???どんな感じだった??」


ミナがローザに興奮気味に問いかける。


「なんだ?経験ないのか?お前らは毎晩、あのムツキ・スペシャルを楽しんでいるのかと思ってたぞ。」


「あの技はな・・・・」


ドドドドドッ!!!!!


その瞬間、アマゾネスの美女たちが、猛烈な勢いで私たちの周りを取り囲む。


「ローザ様、詳しく!!!」


「ローザ様、早く続きを!!」


アマゾネスたちが興奮して質問する。


「ローザ様!シト様はまだローザ様の旦那ではありません。私たちもアタックしますが良いですか?アマゾネスの恋愛は自由かと!!」


側近のソレアさんがフンフンと鼻息荒く質問する。


「ふふふっ・・・、あははははっ!!!!」


「自由にするがいい。シトに関しては、私も1人の女にすぎん。さあ!あのムツキ・スペシャルを味わいたくば、自らの魅力で奴を落とすがいい!!」


アマゾネスたちの歓声があがる。


「まあ、この私、アマゾネスの嬢王に勝てる女がいるとは思えんがな。」


ローザが挑戦的な目で私たちを挑発する。


「ちょっと待って。やっぱりあんたムカつくわ!!」


私はローザを指差し、ニヤリと笑いながら叫ぶ。


女湯を大きな笑い声が包んだ。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


-- 同時刻/男湯 --


女湯の声が丸聞こえだ・・・。



「シト殿、モテますね・・・」



一人のマッチョが話す。



「あの技は男にも効くものですか?」



一人のマッチョが話す。



「しりません・・・・」



ブクブクブク・・・



僕はマッチョに囲まれながら、顔を赤らめてお湯の中に身を沈めた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る