第17話:突然の再会
(※ユラ視点)
シズクを加えた私たち4人は、あれから何度かのクエストを
こなしている。
やはりシズク、ミナはかなりの使い手で優秀な冒険者だ。
エリア2程度のクエストなら、全く問題なくこなしている。
そして、シトだが・・・・
明らかに強くなっている。
もちろん始まりが弱すぎるというのもあるが、シズク先生の鬼訓練もあり、ここ最近の成長ぶりは目を見張るものがある。
今も、シズクと上手く連携し、巨大なオーガ数体の相手をしている。
20体ほどのゴブリンも、私とミナの攻撃魔法でほぼほぼ全滅に近い。
「ゴブリンは大丈夫そうね。私もオーガの方に行きますか。」
シトたちのヘルプに向かおうとした矢先、
その時・・・・
ズシーーーーーーン!!!!
大きな衝撃音と共に砂埃がまう。
「なっ、なにっ?」
グオオオオオオン!!!
獣のような鳴き声が響く。
衝撃波と共に砂埃が消える。
そしてそれは姿を現した。
漆黒の肌をもつ異形の大男。
頭髪は背中まで伸び、全身に動物のような体毛が生えている。図太い大木のような腕、屈強な胸板。目は爬虫類のような赤い目をし、口は耳まで避けて肉食動物のような牙が生えている。そして肩には、巨大な鉄板のような刃がギザギザとした奇抜な大剣を担いでいる。その異形の者は、あたりをゆっくりと見渡し口を開いた。
「かつての寝城にきてみれば雑魚どもが騒がしい。」
「あああ・・・ああ・・ お前は・・・」
私は独り言を呟く。
見つけた・・・・
やっと見つけた・・・・・
「お前はーーーーーー!!!!!!!」
私はすぐさま、呪文の詠唱を始める。
異形の者は大きく飛び上がり、オーガと対峙するシトとシズクの近くに着地する。
そして大剣を一閃。
オーガ3体の胴体が真っ二つに切り裂かれ、シトもシズクも衝撃で吹っ飛ばされる。
「エアリアルショットーーーー!!!!!!」
複数の風の玉が、異形の者に直撃し砂埃が舞う。
「どうだ!!!!」
砂埃の中からゆっくりと近づいてくる大きな影が見える。
「くっ!!!!」
「サンダーショット!!!!」
ナイスタイミングでミナの雷魔法が直撃する。
しかし、異形の者は、黒い煙をあげながらも歩みを止めない。
私と異形の者の距離が近ずく。
「うおおおおおおおお!!!!」
シトとシズクが別方向から同時に斬りかかる。
異形の者は、大剣を振りかざし、それを地面に叩きつけた。
「ぐああああああ!!!」
「きゃあ!!!!」
辺り一面の地面が陥没し、大きな爆音が鳴り響く。
異形の者を中心とした大爆発が起こり、辺り一面を吹き飛ばした。
「っ!!!!!!」
私も爆発と共に空中に吹き飛ばされた。
シト・・・!!
ミナ・・・!!
シズク!!
みんな・・・・!!!
そのまま何もできずに地面に叩き落とされた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「うううっ!!!」
なんとか生きている。
視線には、あの異形の者が映る。
「待っ・・・て・・・・」
私の視線の先で、異形のモノは背中から大きな翼を広げて、ゆっくりと空中に浮かぶ。
そしてそのまま大きな翼をゆっくりと羽ばたかせて空に消えていった。
「待て・・・逃さない・・・」
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