誰か呼んでいる

(ねえここはどこ?

ねえ今何時?

誰かいるの?)


だれかが必死に問いかけてリる


でも何も見えない

切りがかった世界


揺れて揺れて

気持ちが悪い…


「大丈夫?

わかる?」

切迫した誰かの声

なんども問いかけられ、体を揺すられ、ようやく目を開けた


でも目の前にはやはり真っ白い世界


手探りでどこかにしがみつこうとした時、布団の感触、ベドの手すりに触れ、わたしはようやくここが自室ではなく、病院のベッドの上だと気づいた


「なんで助かったの?

もう目なんて冷めなきゃいいって思ったのに…」


頬に痛みが走った

ワンテンポ遅れ、わたしは部屋を貸してもらっていた里親さんに叩かれたとわかった


「どれだけ心配したと思ってるの!

自分だけ死んだらそれで終わりってわけじゃないんだよ!

もっと自分を大切にしなさい」

学校の先生たちも駆けつけてきており、声を震わせ泣いてる人もいた


自分を大切にしろって何?

そんなのわからない…

なんでこんなに苦しい思いをしてまでいきなきゃいけないの?


数日後わたしは無事退院し、徐々に体力は戻っていった

冷めた気持ちを残したまま生かされた少女はまた日常に戻っていった…

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