第2話 森の中で
どちらの方角に行っていいかわからないから、とりあえず歩きやすい道を進む事にした。
体感で1時間程歩いたが、景色は変わらない。
「どこの世界に、スーツ姿で森をウォーキングする人間がいるんだよ」
ぼそっとつぶやいた矢先に聞いたこともないような獣の雄叫びが聞こえた。
「嘘だろ。 なんだこの雄叫び」
雄叫びは、近いか遠いか分からない。
だが、日本では聞いたことのないような雄叫だ。
今しなければいけない事は、とにかく走る事だ。
全速力で走りだした。
走っている途中で、何者かが近づく足音がする。
「やばいっ……」
その瞬間、おおきな狼? みたいな動物が森の茂みから飛びかかってきた。
足音から、早めに方向を察知した俺は寸前で急ブレーキをかけて狼をかわした。空振った狼を見ると俺が想像してた狼とはほど遠い体格をした四足歩行の生き物がいた。額には小さな角が生えており、目は鋭く色は赤い色をしている。口にはサーベルタイガーのような牙が生えており、全長は3m~4m程ぐらいある。
「ゾ○ドかよ……!!」
命の危険を感じた俺は頭をフル回転させ助かる方法を考える。
① 死んだふりをする
② 雄叫びをあげ仲間のふりをする
③ 高いところにのぼる
「正解は③ 高いところにのぼるだ!!」
猛ダッシュし、岩を踏み台にジャンプ、何とか木の枝を掴み木をよじ登った。
「よっしゃー!」
命の危険を回避した事により、久々に気持ちが高揚し雄叫びをあげた。
狼は木をよじ登ろうとしているが、当然のぼる事はできない。
ここから狼と俺の持久戦がはじまった。
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