第2話 手錠
手錠には鎖が付いていて、それを目で追っていくとベッドの頭の方の柵に繋がれていることに気づいた。鎖は柵を上から下へぐるりと巻かれていて、ある程度巻かれたところで南京錠で固定されていた。
(う、嘘……)
一気に絶望が襲ってきた。これじゃ、あのドアから外に出るどころか、この場から離れることさえできない。鎖や南京錠を壊すことが出来ないと思った私は手錠から手を抜こうと右手で手錠を持ち、左手を思いっきり引っ張った。引っ張れば引っ張るほど手錠が手に食い込み痛みが走ったが、早くこの場から逃げたかった私は痛みを感じていたけれどそれを辞めなかった。
(お願い、お願い、お願いだから取れてっ!)
そう必死に願いながら引っ張っても手を抜くことは出来なかった。
(どうしよう、どうしよう。何かで壊す? でも……)
見渡すけれど、部屋にも私の手が届く距離にも道具はなかった。
悩んでいると、私の右側でドアが開く音がした。
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