大人になった幼馴染に監禁された。幼馴染の彼が私を監禁する理由。夢は醒めたるのか、続くのか

BULLETandARROW

第1話 部屋

いつの間にか私は寝ていた。


「んん……」


(いつの間に寝ていたんだろう? 早く起きないと……)


そう思って瞼を上げた時だった。視界に白い天井が写った。


(あれ……)


だが、自分の家の天井の色と違うことに私は気づいた。そして、その微妙な色の違いに違和感を覚えた。


(うちの天井って白くなかったはず……。なんでだろう……。明かりの錯覚かな)


周りを見ようと、寝たまま顔を左側へ向けて見てみた。


(え……?)


声も出ないほどの不安に襲われた。傾いていても分かる。私の視界には、明らかに私の家ではない光景が広がっている。

白い壁、白い床、黒いソファに黒いテーブル、左前方の黒いドア……。いかにもモノトーンで合わせられたような部屋である。家具はそれくらいしかなくて窓はない。


(ここ、どこ……? あのドアしか出口がないし……)


頭を混乱させつつ、私は体を起こして傾いていた視界を直して、ふと左手に「冷たくて重たい」という違和感があることに気づいた。私は左手に視点を移して絶句した。


(え?)


なんと私の左手には手錠が付いていた……。




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