第3話 私の幼馴染
誰かが入ってくるのが分かる。右を向くのが怖い。
「ああ、起きた?」
低い声が静かな部屋に響く。体が震えて鳥肌が立った。
(いったい誰なの?)
確認したいけれど怖くて向くことが出来なかった。
カチャッ
(え? 今のは鍵の音……?)
鍵が閉まったような音が静かに響いた。
「ユリ?」
「え?」
(わ、私の名前を知っている……!?)
突然のことに私は思わず声が漏れた。そして反射的に振り返った。
そして、視界に飛び込んできたのは、私の幼馴染だった。
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