第15話 刺殺

数日後、私は叶太の言ったことに驚愕した。そして信じることが出来なかった。


「あいつ、死んだらしいぞ」

「……え?」


今朝、ニュースでやっていたらしい。死因は刺殺らしく、犯人はまだ捕まっていなかった。私は、泣きたかった。けれど、泣くことが出来なかった。私の心は変な気持ちでぐるぐるしていて、私には、この気持ちの正体が分からなかった。


「ユリ、俺と結婚してほしい」

「え……?」

「こんな時に言うの、おかしいのは分かっている。けど、たとえお前があいつを好きでも、俺はユリを守りたいし、ユリを支えたい。ユリと生きたいんだ」


その時、私はなんて答えれば正解なのかが分からなかった。

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