第14話 安心感

「ユリ!! ユリ!!」

「っ!! っ……っ……」


叶太が私を見下ろしていた。そして、私は荒く肩で息をしていた。


「っっ……」


涙があふれ出た。


「大丈夫か……? 凄くうなされていたけど……」

「こ、怖い夢、み、見て……。お、夫がいきなり、ナイフを持って追いかけてきて……」

「怖かったな……」

「か、叶……」


横に寝ていた叶太は、私を抱きしめて頭を撫でた。


「しーー。俺はここにいる。ずっといるから、大丈夫だから」

「う、うん……」


そして、叶太は私の涙をぬぐって、それから、背中をゆっくりとさすった。私の心には安心感が広がっていった。そして、いつの間にか、私の涙は止まっていた。叶太に抱き締められながら、私は寝た。それから私は悪夢を見なかった。

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