第4話 崖

引きずられ始めてどれくらいが経っただろうか? 気づけば、そこはもう床ではなく地面になっている。髪も頭もマヒしてきて痛みは感じなくなっている。すると、急に引っ張る手が急に止まって、立たされた。


「飛べ」

「え?」


見ると、目の前には崖があった。


「俺たちは飛べるが、お前はどうなんだ?」

「見せてよ」

「いや、ちょっと待って!」


じりじりと崖の先の方に押される。


「もういっそのこと突き落としちゃえば?」

「いいな! それ面白そう! やろう」

「そうだな」


そして、私は勢いよく押された。さっきまで掴まれていた髪と翼が軽くなり宙になびいた。


「いやあぁぁぁっっっ!!!」


私は頭から真っ逆さまに落ちた。

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