第3話 転校生と…
公園の前をいつもの帰り道なので通るとそこには金髪の女の子が一人ぽつんとベンチに座っていた。
何か思いつめた顔をしているように見える。
「俺と同じ制服?」
自分と同じ一之宮高校の制服を着たその女の子は、元気がなく顔にも覇気がなかった。
だが、別段面識があるというわけでもなかったのでその子をスルーして行こうとしたその時だった。
「あ…あのっ!!一之宮高校の二年生の方ですよね?」
「ああ、そうだけど?俺に何か用?」
その女の子は勢いよく立ち上がり俺の方まで迫ってくる。
「あっあの…えっと…そのっ…」
モジモジしてはっきりしなく髪をくるくるといじりながら頬を赤らめ下を向いている。
何だろう…昔の自分を見ているようだ。
それにしてもこの娘、可愛い。髪は金髪で瞳は黒、鼻筋もピシャっと通っている。どこかの外国のハーフだろうか?
「あ、あの私、実はあなたのことずっと見ていて…その良ければ…私のことを…!!」
思わず固唾を飲む。ゆうなればこれは人生で待ちに待った告白イベント!!
なんのフラグも踏んだ覚えはないがこんな可愛い子から告白されるのか、ちょっと照れくさいなっ…なんつって
と心のなかでドギマギしている俺の希望はこの後木っ端微塵に砕け散るのである。
「私のことを最強の陽キャJK一軍ピチピチギャルにしてくださーーーーーい!!」
「はっ?」
んん〜今、この娘なんていったかな?おかしいな?ちょっともう一度聞いてみよう。
「ワンモアプリーズ?」
「だからっ…その…私のことをスーパーパリピJkにしてくださいっていってるんです!!何度も言わせないでください…恥ずかしいんですよ…これでも」
頬を赤らめながら彼女は言う。
「ちょっと話が理解できないな…そもそも…なんで俺なんだ?」
「そんなの勘に決まってます。なんかこう親近感というか…あなたからはほかのパリピたちの嫌な感じがしなかった…そう言うなれば…同族。あなたからは同じ匂いがしました」
なるほど理解した。何を隠そう、俺は中学の時、陰キャである。それもライトノベルを学校のお昼に読み漁りそれはそれはたちの悪いものだった。もちろんクラスの卒業アルバムには一筆も名前はかかれなかった。ってやめておこう…古傷が痛む。
「なるほど…あながち間違っちゃいないな」
続く
俺と彼女のボッチ共同戦線!!〜陽キャと陰キャどっちが幸せ?〜 SayO @suisay
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