第17話 陸…さん?
「そうそう、この後優ちゃん予定ある?」
「私は特には予定ないですけど。」
何を忘れてるのかと思えば、私の今日の予定聞いてきた。この後はみんなと話す以外の予定を入れていなかったから、正直に暇だと答える。
「よかった!この間のお詫び…というか、ただ仲良くなりたいだけなんだけど。一緒に出掛けない?この間は買い物邪魔しちゃったし、付き合うよ?」
確かにあの日から今日まで買い物できずにいて、そろそろ買い物に行きたいと思っていたから承諾しようとした。
しかし、私の隣に座るナイトが黙ってはいなかった。
「2人で?だったら今度俺らと行けばいいじゃん。」
「皆って。今日俺、車だし。さすが溺愛だね。壮太。」
車といわれてしまってはさすがに勝てない壮太君は黙り切ってしまった。
「それで、優ちゃんどう?」
「お願いします。そういえば陸さん、今日奏斗さんは来てないんですか?」
「はぁ~!陸さんだって。お前らもそう経緯を込めて呼べないのか?w」
私の質問は無視をして、私の呼び方に驚いている。
「そんなん無理でしょ。陸君だよ?」
なんだか失礼になりそうなことをゆいが口に出す。その横では尚と壮太君も大きく頷いている。
「そうですか~。これでも一応虹高の先輩なんだけどなぁ。でも、そういうの関係なしに、優ちゃんも”さん”なんてつけなくていいからね。何ならため口でいいよ。」
拗ねたふりをした陸さんだけど、一瞬で元に戻るあたりはやはり大人だとおもう。
そして、本人がいいというので、陸さんにもため口で話すことになった。
「わかった。」
「やったね!優ちゃんとの距離がまた近くなった!今日の目標はめちゃめちゃ仲良くなることだから。」
「無理だね。」
壮太君がビシッときり捨てた。
「なんで壮太が答えてるの(笑)まぁいいや。早めにいかないとゆっくり選ぶ時間なくなりそうだね。そろそろ行こうか。…尚、帰ってきたらクッキー食べるから、キープしといてね!」
そうまくしたてた陸君は車のカギを持って外に出ていった。みんなにまたねと告げて彼を追いかける。玄関のドアを開けるとスタイルのいい陸君が車にもたれて待っていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます