第7話


今日はタクミ君の家に遊びに行く。


私は早く起きて化粧をする。

いつもよりも丁寧に。

洋服も昨日から悩んで決めた。

あんまり決まりすぎない程度に・・・っと。

薄いみどり色のワンピースにした。


タクミ君が駅まで迎えに来てくれた。

私を見つけて手を振ってる。

いつもと違うタクミ君の私服姿がめちゃくちゃかっこよかった。

デニムにTシャツで、ただそれだけでかっこいい。

タクミ君はそっと手を繋いでくれた。


歩いて家まで行った。

マンションの3階だった。誰もいなかった。

「アズミちゃん、かわいいねワンピース」

そう言ってくれた。


タクミ君の部屋はあまりものがなくて男の人の部屋だった。

本がたくさんあった。CDも。

ベットの下に座った。タクミ君がお茶を持ってきてくれた。

そして私のすぐ隣に座る。ドキドキした・・・。

いい匂いのするタクミ君に、Tシャツ姿のタクミ君に。

外国の映画を観た。

ラブラブなシーンに私はまたドキドキした。


「キスしていい?」

映画の途中にそう言われた。

「うん」

タクミ君は優しくキスをした。

「もっとしていい?」

「ん?もっとって?」

「っふふ。キスとか、それ以上のこと」

私はドキドキしてた、なにも言えなくて下を向いた。

もう、映画なんて頭にに入ってこなかったし、見れなかった。

タクミ君はそれ以上はしなかった。


映画がおわって、エンドロールが流れる。


「俺ね、多分、めちゃくちゃすきだよ」

「え?」

「アズミちゃんのこと。」

「私もだよ」

「ほんと?」

「うん」

「マジ?」

「うん、私もすきだよ」


タクミ君は笑ってて、嬉しいな。と言った。

「ちょっとトイレ行ってくる」

と言ってタクミ君は部屋をでた。私の心臓がバクバクなる。

タクミ君が戻ってきた。

「手、濡れてるじゃん」

「いそいできたもん」

「っふ。なんでー」

タクミ君が濡れた手で私の頬に触れた。

「つめたっ」

そして、キスをした。

優しくて、あつくて、気持ちのいいキスだった。

私もそのキスにキスを返した。

タクミ君の舌がはいってきた。



息ができないキスだった。

唇が離れても離れてもすぐに塞がれる、そんなキスだった。


タクミ君の首に手を回す。

タクミ君は、キスをやめない。



タクミ君のことがすきだ、と思った。



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