第23章 中部にマムシはいるか?編
第220話 東海地方は落ち着いて・・・
1537年(天文6年)5月
残念なお知らせがある。ガチャで出た
ただ思い出してみると、ガチャのドロップ品は、帆船模型のときにも
さて、「花倉の変」以降の東日本の状況だけど、今川領が中立、今川氏虎、今川元親くんの三勢力になって安定した。
武田信虎さんが、今川氏の新当主に嫁がせる予定だった姫を家臣の小山田虎親に嫁がせ、武田氏と今川氏の間に結ばれるはずだった婚姻同盟が完全に白紙となったのが大きい。
なにしろこの状況は、武田信虎さんが今川氏虎の今川家当主を否定したと受け取られ、今川氏虎は全軍を率いて遠江(静岡大井川以西)に攻め込めなくなったからだ。お陰で今川元親くんは、毛利氏からの支援を海から受けて、遠江での地盤固めの真っ最中だ。
次に関東の武田氏。越後(新潟本州部分)の長尾氏と同盟を結ぶために、それなりの物資や金を贈って関係改善に力を入れている。この度、武田一門に取り込まれた小山田虎親は、俺と同じくこれから先の歴史を知る人間。数年以内に、伊達稙宗・晴宗親子による
多分、確実に天文の乱を起こして、その隙をついて伊達連合を含む東北地方を飲み込む算段だろう。今頃は小山田虎親が組織した諜報組織である三ツ者を潜入させて、色々手回しをしているはずだ。
次に越前(岐阜北西部を含む福井嶺北)の朝倉氏。長年、京が荒れる度に多くの公家を匿ってきたという実績がようやく功を奏した結果、当主である朝倉孝景の出家と、現在加賀で勝手をしている加賀の国人衆を引き締めることを条件に臣従することが許された。
一応、戦にかかる必要戦費の半分と武器の供与。総大将に朝倉宗滴さんと戦目付に俺の義息である朝倉景紀さんを付け、海上からの支援を毛利氏から出すことになっている。海上から支援されることの効果は、身に染みている朝倉氏からは殊の外に喜ばれた。艦砲射撃は心をへし折るからね。
次に尾張の斯波氏。遠江への遠征失敗の責任を取らされ、斯波義統は寺に押し込められた。後を継いだのは斯波義統の弟である斯波孫太郎。斯波義統から諱を貰って斯波統雅を名乗って当主になった。ついでに織田信秀さんの庶子を嫁に取らされ、斯波氏は織田信秀さんに名も実も完全に乗っ取られる事になった。
さて、近江(滋賀)で唯一、毛利氏に敵対していた浅井氏だが、居城である小谷城が落雷で焼失したことで、消滅していたことが判明した。今年の春先には、既に城に人の気配がないことが御伽衆からの報告で判っていたんだけど、小谷城では昨年の冬から多数の餓死者が出て、更に疫病発生のコンボも炸裂させていたから、御伽衆にも迂闊に近づかないよう命令していたんだよね。
それで軍務部と相談した結果、小谷城は一国一城の原則から廃城になる予定だし、新型火砲「がしゃ」の訓練に使うべきということになった。
-☆-☆-☆-
― 近江(滋賀) 小谷城付近 -
今夜は新月だ。当然の事ながら辺りは真っ暗である。
しかし、よくよく目を凝らすと、ぼぉとした淡い光が、ホタルのようにチラチラと地面近くを舞っている・・・ように見える。
そう淡い光の正体は、新型火砲「がしゃ」を積んだ多脚ゴーレム「嵐虎」の後部に装着された「夜光灯」だ。
そしてこの淡い光を目印にして、毛利の砲兵隊所属の兵20人が小谷城の麓を目指している。
「夜討ち朝駆けは武士の習い。奇襲の常道とはいえ、新月の晩の夜間行軍はキツいものですね」
闇の中から尼子詮久くんの声が聞こえてくる。
「いずれ必要になる技術ですからね」
「夜討ちがですか?」
「夜間の海上砲撃戦です。明の商人から、
「欧州という地方の国でしたね。ああ、洗練された蛮族が、いずれこちらに攻めてくる可能性があると仰ってましたね」
闇に閉ざされているけど、「くくっ」と苦笑いしている尼子詮久くんの顔が見える。
「地球を半周する戦船を多数抱える
歴史通りなら6年後。既に台湾を支配下に治めていることを考えれば、6年後よりも早く、欧州と接触する可能性は高いからね。
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