うおお、ぞわっとしました。さいごに実家で桜餅食べるのがなんともいえないぞわぞわ感ですね。ごちそうさまでした…
初めまして。企画からまいりました。
これは、すごいです!
初めの方から綺麗な文章だなぁと読み進めていたのですが、途中から「え?」となって、もう何が起こったのか、読み返し読み返し、最後は戦慄が起こります。
この短さで、お見事です。
この文字数なのに、淡々と冷めた語り口でどんどんお話を転がしていて凄いです。吉田修一さんみたいですね。
お母さんのくだりは、どこかで「いつまでも子ども扱いしているくせに、事あるごとに家を増築したいんだけどねえ、等と暗に無心を仄めかしてくる」的なエピソードを入れておくと、よりえげつない感がでそうだなあ、と思いました。
とても面白かったです。ありがとうございました。
最後の十行が特に印象的でした。
「ほい」というところなど。
普通だったら「はい」としそうですが、「ほい」でどことなくとぼけた感じや日常を出しつつ、母は気付いているんですよね。
日常と狂気。そんな言葉が浮かびました。
此度、企画にご参加頂きまして、誠にありがとうございました。
素晴らしい作品だと思いました。冒頭から香る葉太の感性が擦れた感じが、
▶生徒たちは葉擦れのようにざわざわと音を立てはじめ、教室内がにぎやかになる。
という表現で確実になり、なぜそうなのかが最後で明かされる。葉太の感性を通じて描かれた世界の描写が一際秀逸でした。
▶味気ない。泡と同じだ。
▶人生はこうして途端に無になる。桜が花を咲かせ、葉桜へと変わっていくようには、自然ではない。
▶静かに、霧雨を降らすように、しかし確実に。
▶油断している。人生を。容易だと思っている。すべてのことが。
▶ひとりだけ見送れなかったから、と悲劇めいた辞職願は、安い涙を頂戴した。
ここら辺に、葉太の感性が絶妙に織り交ぜられつつも、作家様としてのご経験と感性も込められているのではと感じました。
そして最後、
▶——私は庭先の桜を見た。
ここに、色々な解釈が生まれているのが良いですね。私はこの桜がある意味でただの桜ではないのだろうなと、そう感じました。
無駄のない構成と内容と、狂気を浪漫で偽装しない感覚が、実に潔くて気持ちが良かったです。こうして描かれることで、狂気と一口で言いはしたものの、ひょっとしたことから誰でもが抱きそうな想いである――葉太の存在にリアリティがでる――ことが読者に伝わるんだと思います。
全く個人的な印象ですが、私は縦組み読みで拝読していたのもあり、その作風から「完全縦組み仕様」で読んでみたくなりました。具体的には改行の扱いなどです。
ただ多くの人がアプリや横組みで読まれると思われ、最適化の正義は現状がよろしいんだと思います。
とても良い作品だと思いました。綺麗に着飾った言葉を並び立てるのではなく、そこに見えている世界を無駄なく質感ごと伝える筆致が光る、良作だと思いました。
最後に改めて、企画へのご参加、ありがとうございました。
こんばんは。企画から参りました。
いや、凄い。短いながらこの読ませる文章力、本当に凄いと思います。
ラストはあっと驚くどころか「えぇー!?」となりました。もちろんいい意味で。
淡々とした語り口が良いですよね。これはこれで、「葉桜の君に」だなぁと思います。
美しいってどこか恐ろしい、それを感じる良い作品でした。
淡々とした中に狂気と凄みを感じました。
本物の化け物ですね。
はじめまして、企画からきました。
短いながらにとてもよく纏められていると思います。が、私的には葉太の心理描写が足りなく、淡々と物語が進んでいくように思えました。特に最初の殺人の所ですね。
頼まれたから殺した。その影にある葉太の感情が見て取れませんでした。
それがいいという方もいると思うので、あくまで私の感想です。
展開としては物語の中盤くらいでラストが読めたのですが、ここまでに冬野香枝子への愛の深さの描写のようながあれば、もう少し後までわからなかったかもしれません。
素敵な物語をありがとうございました。
編集済
おおぉ、これは、すごい。
あ、企画から参りました。いや、すごいです。ホラーミステリー、ミステリーホラー? とにかくこの文字数でレギュレーションをクリアしつつのラスト。お見事でした!
おお……これはまたすごいですね。
この展開は思いつかないですよ。すごいな。文章が整っていて読みやすく、淡々と展開していってからの最後。お見事です。
企画から来ました。
おおおお、という感想です。
純文学系ホラーですね。素晴らしいです。
すくいがまったくないのも素晴らしい。
淡々と進む前半できれいな描写を重ねていて最後十行でひっくり返す。
いやあお見事でした。
惜しむらくはちょっとこの素晴らしさを他人におススメしづらいところですかね。
とても緻密な文章で読みやすく、まとめ方も上手かったです!
一つ気になったのは、主人公の行動についてです(主人公は春川を殺した後自殺したという解釈を前提とします)。
⚠️以下、長文かつネタバレになっています。
「贖い」として教師を続けた主人公は、春川を殺すことでその「贖い」を完了させました。ここで「贖い」がどういったものであったのかという疑問が生まれます。
そして、主人公は殺人に味をしめて冬野のような人を探していたということでした。このことから主人公は「冬野のような人を探し、殺すために教師になった」ということが推測できます。
教師になったのは「冬野のような人を探すため」であり、それを主人公は「贖い」であると表現していると言えるでしょう。
「贖い」とは「罪を償う」ことです。では主人公の「罪」は誰に向けられたものなのでしょうか。
ここで、冬野の嘱託殺人は成功していることに注目します。冬野に対する罪ということは考えにくいでしょう。
とすると考えられるのは「自分自身に対する罪」でしょうか。
主人公は春川を殺した後、自殺します。その理由は「求めていたものが手に入ったから」そして「充足したから」です。つまり春川を殺したことによって「殺す」ということに満足し、その満足感を感じたまま(再び渇いた生活に戻ることなく)死んだのです。
ということは、少なくとも冬野を殺した時点では「充足していなかった」ということになります。主人公は「充足する殺しをすることができなかった過去の自分」に対する贖いとして、「満足するだけの殺しを得る」ために教師になったのでしょうか。
あるいは、もう一つの可能性として「冬野に対する贖い」という線も考えてみます。
冬野に対する殺しは一見すると成功したように見えて実は成功していなかったとなれば、冬野を上手く殺すことができなかった「贖い」として、冬野のような人を殺すことが目的となり得ます。
では、その仮説の上で「失敗例」である冬野と「成功例」である春川を比較します。
一番大きな違いは、冬野が誰にも発見されなかったということでしょう。反対に春川は明言こそされていないものの、「みんなお前のために泣いてくれる」とされているので「悲しんでくれるような綺麗な存在」へと昇華しています。
このとき主人公の罪とは「冬野を綺麗な存在に昇華させられなかった」ことであると考えられるでしょう。
しかし、主人公は冬野が見つからず失踪扱いになっていることに対して「おめでとう」と言っています。どうやら冬野の望みは叶えられているようです。
主人公は冬野を「綺麗な存在」にしたかった。しかし冬野はそれを望まなかった。主人公は冬野の望みを優先したが、どうしても「綺麗な存在」を残してみたくなった。のでしょうか。そう考えると「ーーおめでとう、冬野」という台詞が一層皮肉めいて感じられますね!
長々と失礼いたしました🙇♂️
すごく面白かったので考察させていただきました!!