第4話 二年間もさまよってると楽しくなってくるかもね
空裏と夢裏の城の中の探検はつづいた。
魔王より強いものは、苦しみを打ち破るものである可能性がある。
転輪童子(てんりんどうじ)という人がいる。
転輪童子は、魔王城の中を二年間、さまよい歩いている。
苦しみの原因の魔王城の中をである。
巨大な魔王城の中をである。
空裏と夢裏は、隠し通路で転輪童子を見つけた。
「悪我識魔王の部屋を二年間、探しているが、二年たっても悪我識魔王の部屋が見つからない」
転輪童子はそういった。
魔王退治の旅をしていたのは、転輪童子だったのだ。
転輪童子は、いつまでたっても魔王を見つけられない。
このまま、ずっと転輪童子は悪我識魔王を見つけることができなんだろうね、と城の住人たちは残念がっていた。
やはり、魔王は庶民が近づけない所に住んでいるのだ。
魔王への謁見は、そう簡単に庶民に許されるものではないようだ。
特に、この魔王城の悪我識魔王への謁見は、難しいのだ。
悪我識魔王が臣民に会わないのは、やましいことがあるからにちがいない。
空裏と夢裏は、悪我識魔王の部屋を見つけたら、転輪童子に知らせようと相談した。
転輪童子は何者か。
転輪童子は、二年間、魔王を退治できなかったもの。
転輪童子は、大人に否定された少年。
いったい誰が悪我識魔王を倒すのだろうか。
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