第3話

高校に入学してまだ友達も1人もいなかった。もう女子のグループもできてきている中で私は出遅れていた。でも、そういうのはちょっと面倒だった。人見知りはしない方だが、みんなを観察するのに忙しかったから。という言い訳をしておこう。

放課後、担任にごみ捨てを頼まれて1人で校舎裏に行くと、ごみ捨て場の隅にしゃがみこみ煙草を吸ってるジョーと会った。スリッパを見ると同じ色だったので同じ学年だとわかった。ついでにはもう彼が誰かと言うのはわかっていた。女の子たちが噂してる人だということ。

「ジョーってすぐにわかったよ、あの時」

「ははは、俺モテモテだったよな」

「うん、みんな色々言ってた」

「ルイ、あの時すげー顔で俺見てた」

 目が合ったが何も言わずにごみを投げた。ごみの山のてっぺんに見事辿り着いたが運悪くころころとなだれ落ちてごみの山が崩れた。「くそっ」と私が小さく声を漏らし、落ちてきたごみをごみの山に投げ込んでいると、ジョーが立ち上がりごみを蹴ったくった。煙草をくわえたまま。

「よう」

かなり小さい声で言われ、聞こえなかったふりしようかとも思ったが、

「あ、よう」

と言ったが、あまりにも不自然な会話の始まりで一瞬シラケた。

「こんな大量なごみ、友達に手伝ってもらえよ」

「ああ、まだ友達できてないから」

「作んないの?」

「勝手にできるもんだと思ってたら、意外にも、、」

「俺もそれなんかわかるかも」

「むっずかしいよね」

「うん。むっずかしい」

「まあ、そのうちできてるはず」

「お前何組?」

「3組」

「名前は?」

「日野」

「今日から友達な」

「なにそれww子供みたい」

「いいじゃん、まだ子供だし」

私は、なにも言わなかった。変な奴。と思いながら帰った。

次の日の昼休み、私は1人で音楽を聞きながら弁当を食べていたら昨日の男の子がきた。

私の両耳からイヤフォンをとり「よう、ルイ」と言いながら座った。

「気安っ」と言ってイヤフォンを取り返した。

「昨日から友達じゃん」」

「え、名前知らないよ」

「昨日聞けよな。お前はジョーって呼んで。俺のこと」

「ジョーね。わかった」

「ルイの高校初の友達が俺で、俺の初友達はルイ」

「あんたも友達いないんだ」

「いまのとこね」

「そうなんだ」

「仲良くなれそうじゃん」

「そうかな」

「なれるよ」

「じゃあなろっかな」

「お前、テキトーだな」

ジョーは隣のクラスだった。ジョーは女の子にモテた。

顔も整っててスタイルもいい、それに優しい。

私がジョーと仲良いのを理由でか女の子からは優しくされた。友達も増えた。

本当に友達と言えるかは別としてだけど。

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