第11話  あかり頑張ったね。

 2020年2月6日、7日。父のセックスで朝起こされた。

私は、もう抵抗すらできないんだと思った。朝に入れられているということは、本当に悪夢で、もう耐えきれなかった。

 「大好きなそうくんもいるのに何でこんなことされなきゃいけないの?」と、思いながらも、気持ちを押し殺して耐えていた。

 もう心の体も限界を迎えていた。

 7日の夜。父に、

「門限は、いつなくなるの?」

というと、

「なくなることはないよ。」


「あかりはいつ自由になるの?」


「もうあかりには自由はないよ。」


と、言われた。私は、こんな生活はもう耐えきれない。夜も眠れなかった。



8日の夜。

そうくんに分かれてもいいから、この事実を打ち明けようと思い、初めて打ち明けた。

LINEで長文で送るとそうくんは、

「あかり、辛かったね。いま電話できない?」

と言われ、電話をした。

「あかり、辛かったね。よく今まで我慢してたね。今から、あかりのうちに行くから、少し下におりてこられないかな?」

「ちょっと、今は難しいかも、、、。」

「とりあえず、家に向かうね!」

「うん。」

と言って、そうくんがうちまで全力で自転車をこいで来てくれた。

 そして、電話をした。

私は、ベランダから下を見下ろし、そうくんは、上にいるあかりを見ながら電話をしてくれた。


「あかり、話してくれてありがとう。辛かったね。これを聞いたからといって、わかれるつもりもないし、むしろこれからあかりともっと楽しい思い出をつくっていきたい。少し、下に降りてこれない?」


「うち自販機あるから、ちょっとごまかして下降りるね。」


すると、そうくんは、なにも言わずに抱きしめてくれた。

「よくがんばったね。」

頭をなでてくれた。

「これから対策を考えていこう。昼間は、家にいないとか。」

「でもね、朝にやられるの。」

「そっかぁ。まだ続くかもしれないけど、大丈夫?」

「担任の先生にも話してみようかな。」

「そうだね。あかりがいいなら、言った方がいいかもしれないね。」

「うん。」

「ちょっと、これはルール違反だけど、、、。」

と、キスをしてくれた。


その時、家の窓が開いて、

「あかりまだ?」

と、キスをしているところでお兄ちゃんが言ってきた。


慌ててそうくんは隠れたが、あとからお兄ちゃんにきいたところばれてしまっていたらしい。


別れると思っていたが、それとはまったく反対のことがおこって、私は、そうくんのおかげで、もっと人に言っていいんだ。と思い、そこから私の考えが変わっていった。


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