第5話 高校生 ~統合失調症の診断~

 私は、大学への内部進学のため、勉強を頑張っていた。そして、部活動も頑張っていた。が、しかし、体が言うことを聞かなかった。

 幻聴、幻覚が起こってしまっていた。学校に通っていても、実際は言っていないが、担任の大好きだったM先生に、

「そんなに死にたいなら、死ね。」

と幻聴で聞こえてしまった。幻聴は、本当に怖くて、本当に聞こえるので、本当の声と区別がつかなかった。毎日、周りから監視されているようで、帰り道も知らない人に、

「なんなのあの子」

などと言われた記憶があった。もうどこにもいたくない。誰か私を消してほしい。もう誰も私にかまわないで。


本当に病んでいた。


母にも、死にたい。高校1年生の時の担任I先生にも、ソフトボール部の試合の前などに、死にたい。とLINEで送っていた。肝臓がんで半分肝臓がなかったI先生だったが、そのLINEを見て試合にわざわざ見に来てくれたことがあった。


ある日、学校の一時間目が終わり、学年主任のN先生から呼ばれ、保健室につれてこられた。私は訳が分からないまま、

「今、お母さんが迎えに来てくれてますから。」

と、保健室の先生に言われ、私は車で自宅に帰ることになった。

帰ってきてから、母が、焼うどんを作ってくれたが、私は、幻聴で、

「これには毒が入っている。」

と言われ、一口も食べなかった。

 そして、私は、家に帰っても、幻聴と話していた。


「皆さーん。まことに申し訳ありませんでした。」


何度も何度も謝り続けていた。

それを見た母は、もう病院に連れていくしかないと思ったのか、武蔵野病院に電話をかけていた。私は、次の日が大切な試合だったので、休むわけにはいかなかった。とても抵抗していた。無理やり、車に乗せられ、武蔵野病院についた。

 病院では、診察をされ、即任意で入院することになった。


病院の個室は、防犯カメラがあり、トイレがついていて、奥には、鉄格子があり、そこにベットがあるだけだった。


そして、その晩、ひたすら寝ずに謝り続けた。


次の日、食事が出たが、私は、やはり幻聴のせいで食べるどころか、「はけ」と言われ、自分ののどちんこを触って、無理やりはいていた。私は、はくことよりも、いろいろなことが重なりすぎて、精神面がとてもつらくなっていた。薬もはいていた。


私は、いつの間にか、点滴で食事をとっていた。

そして拘束をされていた。


二週間ほど拘束されていた。


そして少しずつ食事が自分でとれるようになり、気分も落ち着いていた。

家族と会えない期間が、一か月間続き、私は、病名も言われず、ただ看護師さんや、主治医と話したりするだけだったため、もう家族に捨てられたのだと思い悲しく、泣いた夜もありました。

 1か月半ごろ、やっと家族にあうことができて、私は嬉しかった。

しかし、また私が家族と会いたい欲求がすごかったのか、暴れて、また拘束をされてしまった。しかし、すぐに拘束は取れ、回復に向かっていっていた。


そして、三か月になろうとしていた時、ようやく、主治医から、

「統合失調症の妄想型です。」

と、言われた。


そこから、退院後も毎日薬を飲むことになった。


学校の生活も少しずつなれるため、一日一時間から始め、徐々に伸ばしていった。

部活動は、久しぶりに見にいったとき、部活動のみんなから、

「お帰り。」

と、言ってくれた。しかし、私は申し訳なさが、ずっとこころにあったので、部活に行くことを拒んでいた。


高校1年生の時にお世話になったI先生は、

「おれに会うためだけに、学校に来なさい。」

と、言ってくれた。

私は、その言葉だけを胸に学校に行っていた。


夏休みに入る前、私は、退院後も自傷行為をしてしまった。シャープペンシルで左の手に傷をつけていた。それを見たI先生は、何も言わず、私のことを抱きしめてくれた。私は今でもその感覚を覚えている。涙が止まらなかった。


I先生は、高校卒業後、入退院を繰り返していた。そして、夏に亡くなってしまった。


私の人生を救ってくれた恩師であった。


恩師のためにも生きていこうと決心した。


こんな不安定な時期でも父からの性行為は続けられた。


かけるは、三か月間連絡を取ることができなかったためか、すぐに分かれてしまった。








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