フグの奇襲

時間は前後してファウンデーション教国首都イエローストーン。

トゥーンウィは納得いかない様子で大聖堂の一室で待機していた。

部屋にはソファーと机が有った。

ソファーに横になりながら怒るトゥーンウィ。


「うー・・・なんでよー・・・」

「まだぐずっているのか、 そろそろ納得しろよ」

「なっとくできないよ!!

なんでわたしがぜんせんにいっちゃだめなの!?

みんながたたかっているというのに!!」

「気持ちは分かるが落ち着けトゥーンウィ・・・」


トゥーンウィを宥めるラマス。


「あなたがわたしをまもりたいというきもちはわかるよ

でもなんでわたしをたいきさせるようにいったの!?

ここでたたかわないとみんなしんじゃうよ!!」

「君を戦いから遠ざけたい気持ちはある

本音を言えば全く戦闘とは無関係の所に置きたいがそうも言ってられない

ならばここにも戦力を残しておかないといけないのだから

それならば君を残して行った方が良いだろうと言う判断だ」

「ばるどくんたちががんばっているんだからここにくるわけないでしょ!!」

「いや、 そういう訳でもないだろう・・・

とりあえずここで待機してくれ」

「もー!!」


ぼふん!! とクッションに顔をうずめて足をじたばたさせる。


「こうしてられるのもバルドのお陰だな・・・」


ぽつりとラマスが呟いた。


「ばるどくん、 だいじょうぶかな・・・」

「殺されても死ぬような奴ではないよ・・・」


コンコン、 とノックされる。


「どちら様?」

「失礼しますー、 お食事をお持ちしました」

「はい、 今開けます」


若い女性の声が部屋の外から聞こえる。

ラマスがドアを開けようとドアノブに手をかけたその時。

トゥーンウィに肩を掴まれて後ろに倒された。


「なっ・・・」

「間に合え・・・!!」


アイスクリームを射出するトゥーンウィ。

ドアが破られてフグの生肝のスシブレードが飛んで来る。

アイスクリームの冷気で何とか止める事に成功した。


「っ!!」


ドアを開くトゥーンウィ。

メイド服の後ろ姿が角を曲がった。


「と、 トゥーンウィ、 今のは・・・」

「さっきのこえはすしのあんこくきょうのふぐ・・・

まちがいない、 もうここにきていたんだ」

「何だと!? 直ぐにここの警備に連絡を」


戦闘音が遠くから響いた。


「もうたたかいははじまっている!!

わたしたちもいそごう!!」

「分かった!! 私の後ろに続け!!」


ラマスが先導してトゥーンウィが後を追った。


「まえにふぐがはしっているはずだよ、 きをぬかないで」

「分かっている!!」

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