マントラの死

時間は前後してアーマゲドンはマントラの治療の為に戦線離脱し

生き残り部隊と合流してマントラの治療を試みていた。


「ぐは・・・はぁ・・・」

「くっ、 マントラ様、 しっかり!! しっかりして下さい!!」

「はぁ・・・はぁ・・・」

「医療班!! 医療班は居ないか!!」

「アーマゲドン様・・・医療班は逃げ遅れて・・・」

「なん・・・だと・・・治癒魔法が使える者は居ないのか!?」

「・・・・・」


目を伏せる兵卒。

そして感じる魔力の消失


「今の・・・魔力の消失は!!」

「・・・・・魔王様が・・・亡くなったか・・・」

「ま、 魔王様が・・・」

「嘘だろ・・・」


絶望する魔族達。


「狼狽えるな!! 今はマントラ様のお体を!!」

「いや・・・げほ、 もう良い・・・」


血を吐くマントラ。


「し、 しかし!!」

「治療に必要な物資も、 治癒魔法が使える魔物も居ない・・・

私はここで死んでいこう、 置いて行け」

「そんな事出来る訳無いじゃ無いですか!!」


涙を流しながらマントラに縋るアーマゲドン。


「アーマゲドンよ・・・これからはお前が魔族達を纏め上げるのだ」

「そ」

「やるんだ!! がふ」


血を吐くマントラ。


「マンt」

「ここで今、 お前がやらなければ魔族に未来は無い!!

やるしかないんだ・・・」


急に目が映ろになるマントラ。


「私も先に行く・・・すまないな・・・こんな無茶を言って・・・」

「マントラ・・・様・・・」


がくりとするマントラ。


「畜生・・・ちくしょおおおおおおおおおおおおおお!!!」


マントラの死体を抱えて叫ぶアーマゲドン。


「アーマゲドン様・・・御指示を」

「・・・」


アーマゲドンは立ち上がる。


「スコップを」

「え?」

「せめて弔ってから行く」

「は、 はい!!」


穴を掘りマントラを埋葬するアーマゲドン。


「この恨みは必ず晴らす、 マントラ様

貴方の仇に打って見せます」


黙祷して立ち上がるアーマゲドン。


「それでアーマゲドン様・・・一体何処に御逃げになるつもりですか?」


兵卒が尋ねる。


「まずは戦闘員と非戦闘員を集めよ、 非戦闘員は飛行城と海底城にそれぞれ避難

我々は潜伏を開始する」


騒めく兵達。


「御言葉ですが何故その様な事を・・・」

「我々戦闘員はこのまま人類の傍で雌伏の時を過ごす

その間非戦闘員は我々が全滅した際に魔族の存在を絶やさぬ様に隔離する」

「なるほど・・・」


アーマゲドンが進む。


「覚えて居ろ、 裏切り者のバリゾーゴンと異世界の人間よ

必ずこのアーマゲドンが首を落してやる」


アーマゲドンは前に進んだのだった。

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