魔王の死

『城が壊れると痛覚が働くがそれも些細な事だ!!』

「城と融合したか・・・しかしそれは的を大きくしただけだぞ」


次々と電磁誘導された鉄火巻きが城を貫く。


『ぐわああああああああああああああああああああ!!!!

おのれえええええええええええええええええええええええええ!!!』


まるで手の様に伸びる尖塔!!

しかし無情にも尖塔は電磁誘導された鉄火巻きによって破壊される。


『くっそおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!

こんな!! こんな所でええええええええええええええええ!!』


絶叫する魔王、 しかし尚も攻撃は止まない!!


「ちくしょおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」


自ら生やした様な血管の様な管を引き千切りながら魔王は闇に突貫した!!


「ふん語るに落ちたな、 おい」

「はい」


ブタの男がハンバーグを射出する。


「ちぃ!! 私は直接相手にするまでも無いと!!?

侮るなよ異世界から来た勇者!! いや、 最早勇者とも呼べん化け物よ!!」

「闇のスシブレーダーだ」

「何だか知らんがその程度では落ちんわああああああああああああああああ!!」


ハンバーグを腕で払いのける、 払いのけた腕は砕ける。

それでも魔王は止まらない。


「見事、 せめて最後は俺の本気を見せてやろう」


ふ、 と周囲を闇が包んだ。


「なん・・・だ?」


いや闇では無いスシブレードの壁である。

そこから飛び交うスシブレード。

先程四天王とその軍勢を叩き潰したスシブレードの比では無い質と量。


「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」


魔王は必死で迎撃を試みたが圧倒的なスシブレードの量に敗北し

骨は砕け足は折れ、 手が弾け飛び、 体が原子レベルで分解された。


「呆気ない最後だったな・・・」


闇がしみじみと言う。


「・・・・・・・ああああああああああああああああああ!!」

「おぉ!? 何だ急に大声出して如何した!?」


バリゾーゴンが叫ぶ。


「いや、 ちょっと首まで消しちゃっているじゃ無いですか!!」

「・・・・・それが何か問題でも?」

「いや、 魔王を殺したっていう証拠が無くなるじゃないか!!」

「・・・・・・・・?」

「別に殺した事を証明する必要は無いだろ、 邪魔になりそうだから消しに来ただけだし」

「いや、 そういう問題か!?

魔王を殺したって事を喧伝すれば世界征服も容易に出来るだろう!!」

「うーん・・・とりあえず帰ってから考えるか」

「そうですね・・・」


闇達は魔王を倒し帰還する事にしたのだった。

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