一週間後

第十二章開始から一週間後。

残り一週間位でバルド達の所に辿り着くヴォルフガング達であったが。


「・・・・・何か寒くない?」

「そうだな・・・」

「へっくしゅ!!」


馬車の中でヴォルフガング達が寒くなっていた。


「・・・・・」


ずぅんとダーク・イタマエが巨大な次元間スシフィールドを展開した。


「ちょ、 ちょっと!? 何をしているんですか!?」


ピースメイカーが慌てる。


「おちつけ、 これは探査用スシフィールド」

「探査用スシフィールド!?」


ヴォルフガングの言葉をオウム返しするピースメイカー。


「そうだ、 次元間スシフィールドの亜種で

触れたスシを探査する機能を持つ・・・」

「見つけたぞ」

「早いな、 何処に居るの?」

「遠いな・・・ここから山を一つ離れた所だ」

「探査する範囲が広ッ!!」

「それでは今から行って来る」

「その間、 先に進んでいるよ」

「うむ」


ダーク・イタマエは馬車から飛び出して行った。


「大丈夫なんですか?」

「見ていなよ」


飛び出したダーク・イタマエは消滅した。


「今のは!?」

「移動用スシフィールド、 自身を次元間スシフィールドに移動させて

再出現する場所を選択する事で遠距離への移動を可能にした」

「すごい・・・スシの暗黒卿ってそんな事が出来るんですか?」

「いや、 これはスシフィールドの扱いに特に長けた

ダーク・イタマエだから出来る事だ」

「そうだったのか・・・」

「いずれにせよ、 誰が居るのか知らないがダーク・イタマエならば

圧勝確定だろう」

「そうとも限らない」


ダーク・イタマエが馬車の中に再出現した。


「・・・・・如何したの?」

「如何やら教国はなりふり構わない姿勢の様だ

やみちゃんが居た」

「やみちゃん?・・・あぁあのやみーやみー言っている子か」

「仮にもスシの暗黒卿、 一人では辛い」

「僕一人でも大丈夫だと思うけどねぇ・・・」

「油断は禁物だ、 一緒に来てくれ」

「分かったよ、 じゃあピースメーカー」

「ピースメイカーです」

「あ、 そうだった、 じゃあちょっと行って来るから進んでて」

「良いんですか?」

「ヴォルフガング、 ここは待たせるのが良いと思う

相手はスシの暗黒卿、 生きて帰れるかは分からない」

「所詮は負けた、 スシの暗黒卿だろう? だったら余裕だよ」

「油断が過ぎるぞ」

「はいはい、 分かったから連れて行ってよ」

「・・・・・」


ダーク・イタマエはヴォルフガングを連れて再度移動用スシフィールドで

トゥーンウィの元に移動したのだった。


「おう、 これは凄いな」


霜が降る光景を見てヴォルフガングは呟いた。

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