発射準備

レーアがイエローストーンに戻った事により

イエローストーンから出撃した軍隊が【アポビオーシス】の眼前に立ち塞がる。


「大軍ですね・・・何処からか情報が漏れていたんでしょうか・・・

グラニート様、 これは・・・如何します?」


グラニートに指示を求める部下。


「・・・・・・・・・・・【アポビオーシス】発射準備」

「え、 えぇ!? ここでですか!?」

「・・・・・・・・【アポビオーシス】発射準備」

「し、 しかし・・・」

「【アポビオーシス】発射準備」

「は・・・はい・・・」


精神酢飯漬けされた影響かグラニートに迷いは無い。

しかしイエローストーンを目前にしての

【アポビオーシス】発射は聊か早計だったかもしれない。

そもサイクロプスやジャイアント等の巨人達、 数百人態勢で持ち上げ使用する

【アポビオーシス】は攻城戦等拠点制圧には絶大な破壊力を発揮する。

何しろ逃げられない城や街ならば避けられる心配は無い。

しかし今回の様な遭遇戦では聊か事情が異なる。

発射耐性に入って撤退されたのでは目も当てられない。

そもそも【アポビオーシス】の運用の為に使っている巨人達を戦いに出した方が

手っ取り早いケースもある。

しかし精神酢飯漬けされたグラニートにはそんな考えは浮かばない。

強い武器が有るのならば使っておくのが自然の摂理である。


ならば部下からの進言は如何だろうか?

先程グラニートから指示を受けた部下は分別が有ったようだが

一般的な兵士は【アポビオーシス】の圧倒的破壊力に酔いしれている

故に【アポビオーシス】の運用に迷いが無い。

【アポビオーシス】を使った方が犠牲も少ないのだ。

作る迄に虐殺をするが人的コストならばとても軽いだろう。


護衛を務めるスシブレーダー達も同様である。

闇寿司の力に染まる余り【アポビオーシス】に多大な信頼を置き

柔軟な思考が出来なくなっている。

回転寿司でハンバーグが一番美味しいんだから

ハンバーグだけ食べれば良いと言う発想に似ている。

子供舌か。


それならば今回の戦いはファウンデーション教国の勝利か?

そう断定するのは早計と言う物である。

油断しても勘違いしても巨人は巨人。

マグロの赤身ではハンバーグの油分に対応は不可能な様に

無策で挑めば敗北は必須である。

子供舌か。


【アポビオーシス】を破壊する策は有る

しかしマグロの赤身に山葵を付けてもハンバーグの油分に対応は不可能。

勝つのは困難である。

子供舌である。


この戦いの勝敗は神のみぞ知ると言う所だろうか。

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