闇寿司とは

時間は前後して【アポビオーシス】の元に向かうバルト達一行。


三崎はバルドと一緒の馬に乗せる事にした。




「ちょっと待ってくれ、 普通二人乗りって上に二人乗るんじゃないのか?」




馬の下に括りつけられる状態で三崎は抗議をする。




「いや、 咄嗟に動けなくなりそうなので・・・」


「それでもこれは無いだろう」


「お前が馬に乗れないのが悪い」




ゾーバに一喝される。


ゾーバも裏社会の大物だがいざという時の為に乗馬の訓練は欠かさなかったのだ。




「ぐぬぬ・・・・・」




確かに乗馬の訓練をしなかった自分が悪いので言い返せない三崎だった。










その日の夜、 一旦野営する事にした一行。


急ぐ彼等だったが無理し過ぎて馬を壊すのは本意では無いし。


そんな事をすれば確実に追い付けないのである。




「・・・所でお前さん、 異世界から来たと言っていたが


異世界ではスシブレードは普通の技術なのか?」




ゴハンが尋ねる。




「いや、 僕はスシの専門学校に通っていたんだ」


「スシの・・・」


「専門学校?」


「そう、 スシアカデミアにね・・・懐かしい」




遠い目をする三崎。




「スシアカデミア・・・どんな事を学ぶんだ?」


「寿司の歴史やお寿司の美味しい握り方


現代寿司学、 軍艦設計理論、 寿司工学


「スシとアート」「スシとオカルト」理論/実践、 それから闇の寿司に対する防衛術」


「闇の寿司の防衛術・・・闇寿司の事?」


「そうだね」


「僕は訳有って寿司の知識は有るが闇寿司の知識は無いんだ


具体的には闇寿司って何なんだ?」




バルドが尋ねる。




「闇寿司というのは寿司職人の誇りを失い邪道に堕ちた外道達の事だ


連中は人としての心を捨て去った、 一人たりとも生かしておけない」


「そういう精神的な所じゃなくてスシブレードの方が気になる


僕が知識として持っているスシとは違うんだけど・・・」


「うん、 重要なのは「寿司」という概念的枠組みだ


闇寿司は寿司では無い物もスシと言い張ってスシブレードとして扱う事が出来る


闇寿司の総元締め親方の"闇"はラーメンすらスシブレードにしてしまうらしい」


「ラーメン? と言うのは分からないが兎に角強そうだな」


「あぁ・・・彼等に潰された寿司職人、 料理人は数知れない


連中による犠牲者をこれ以上出さない為にも連中は皆殺しにしなければならない」


「・・・・・君も相当物騒だな、 使っているスシブレードもそうだが


君も闇寿司の力を?」


「・・・・・力が無ければ闇寿司には勝てない、 つまりそう言う事さ」




バルド達は追及を止めてその日は眠ったのだった。


――――――――――――――――――――――――――


言及されたSCP


SCP-1644-JP - スシアカデミア 築地校


http://scp-jp.wikidot.com/scp-1644-jp

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