物凄い馬

レーアはファウンデーション教国に向かう為に一番足の速い駿馬に乗っていくことになった、 が




「この貴族のお嬢様を乗せてファウンデーションに向かえば良いんだな?」




駿馬は明らかに可笑しい喋れる上に


シルクハットと金色の刺繍に"W.G.W"のモノグラムがあるライトブルーのスカーフを身に纏っている。




「喋る馬・・・か」


「何か知らんけどここら辺の馬は喋れない奴多いんだよなぁ・・・


初めまして、 オレっちはウエリントン・ギャレット・ワンダーホースだ


ホワイトチャペルで最高の馬車馬だ!!」


「ほわいとちゃぺる・・・って何処?」


「ホワイトチャペルに帰る為の資金作りの為でここで働いている


とは言えホワイトチャペルが未だに有るか分からんが・・・」




ウエリントンは俯く。




「しかし馬車馬?」


「あぁ、 背に乗せる事も出来るぜ、 オレっちがここで一番早い馬だ


とは言え大体の馬はそう言うがオレっちは本当に早く辿り着けるぜ」


「そうなの?」


「あぁ、 ここに来る前までは色々有って経験豊富だ


的確に素早く対処出来るぜ」


「ふむ・・・確かに知能は高そうね・・・」


「だろぉ? じゃあ御嬢さん、 早い所行くぜ」


「えぇ、 戦場に近いと思うけど覚悟は良い?」


「当たり前のコンコンチキよ!! こんな所で死ぬ訳には行かねぇんだ!!」


「へぇ、 何か事情が有るの?」


「おうともよ!! 俺には嫁さんと子供達が居るんだ!!


あいつ等の元に変える迄死ぬ訳には行かない!!」


「ちょっと待って、 本当に大丈夫?」




レーアは不安になって来た。




「あん? 何がよ?」


「いや、 その言葉・・・死亡フラグじゃない?」


「・・・芝居か小説の見過ぎだぜお嬢ちゃん、 さ乗りねぇ乗りねぇ」


「うーん・・・」




少し不安を感じながらレーアはウエリントンに乗った。


この時レーアは驚いた。




「こ、 これは・・・!!」


「ふっ、 違いの分かる御嬢さんだ、 乗り心地最高だろ?」


「え、 えぇ・・・これは今まで乗ったどの馬よりも最高の乗り心地・・・!!」


「伊達に食わせていないさ、 馬車馬として働いていたが


最近は乗馬させてくれって依頼も多いからな、 最高の乗り心地を提供する為に


創意工夫をしている訳だ」


「なるほど・・・これほど乗り心地の良い馬は初めてよ・・・


ウエリントンさん、 よろしく頼むわね」


「任せな!! じゃあいくぜ!!」




ウエリントンとレーアはナヴーから旅立った。


本人の申告通り本当に早く的確に状況判断を行った結果。


なんとたった四日でファウンデーション教国に辿り着く事になったのだった。


―――――――――――――――――――――――――――


登場したSCP


SCP-1156 - 驚異の馬・ウエリントン


http://scp-jp.wikidot.com/scp-1156

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