杏菜は優しくておっぱいが大きいようだ
「さびしい……?」
僕は妹を見つめて尋ねた。
「うん。だって、明日、お兄ちゃんと杏菜さん遊園地に行くんでしょ」
「行くよ」
「そしたら私ひとりぼっちじゃん」
「……父さんは明日一日中家にいるって言ってたけど」
「でも退屈! 昔はお兄ちゃん遊んでくれたのに……」
「そっか……」
「明日は遊ぶ友達もいないし。ま、杏菜さんしか遊ぶ人がいないお兄ちゃんよりは友達いるよ」
後半余計すぎな。ラノベとマンガを一人で読むのだって遊びだよ。
「……それでとにかく! なんかお兄ちゃんと杏菜さんが二人で遊園地に行くのがすごい嫌になっちゃって、幼馴染と主人公が絶交する話を聞かせれば、私がすっきりするし、なんかお兄ちゃんと杏菜さんがトラブって遊園地行きがなくなるかもしれないなぁって思ったよ」
「明奈、そういうことだったのな」
「うん。でもね、やり始めて実はすぐ意味ないって気づいた」
「それはまたどうして?」
「だってまず、杏菜さん性格悪くないよ。すごく優しい。音読聞いてくれようとしたし」
そうだな。その通りすぎる。
「ああ、杏菜優しいもんな。僕はずっと、幼馴染やってる時間だけ知ってる」
「私も生まれた時から知ってる。それとまだあるよ」
「おおまだあるか」
「うん。この小説の幼馴染は、おっぱいが小さいらしいけど、杏菜さんは大きいよ」
そうだな。その通りすぎる。
「ああ、杏菜胸大きいもんな。僕はずっと、幼馴染やってる時間だけ知ってる……わけはないけど、その成長の過程を柔らかく見守ってきた!」
ていうかその小説、小説家になろうの世界ではばりばりR15にしないと良くないやつな気がしてきたぞ。
おっぱいの描写ちゃんとあるじゃんか。
まあ世の中のラブコメのほとんどがあるからな。グミにぶどう味があるようなもんだな。
「というわけで、私、こんなことしても仕方ないって思ったよ」
「そうだな。で、杏菜は大丈夫かな」
テーブルに顔をくっつけて横を向いて、突っ伏している杏菜の様子を確認しようと思ったら、どうやら顔が赤い。あまりのダメージで熱が出てしまったようだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます