暁と 共に目覚め 神の美しさを 仰ぎ見よう

暁の 輝ける王の 失墜より 幾星霜

繰り返し追う 炎が追う

その炎は 闇の帳を 焼き払い

罪と不安の 夜を燃やし

憂き世に流れた なだ御霊みたまを囲う

瞬く涙を 拭い去る

王だけが 輝く朝の 駆ける世界

麗しき 全ての人の 全てたり

狂おしき 神の愛の 全てたる

我が王讃えるに 人の言葉少なく

五劫ごごうの時を 書に耽り

十万じゅうまん億土おくど 先に住まいし

隠者の智慧でも まだ足りぬ

嗚呼あまねく 北極星ちぬかるかむい

我が大罪を捧げた 一つ星

昼太陽の 輝く時さえ その巨星ほし堕ちず


この世の涙を 全て乾かし

人の心に 流るる清水に 触れる我がきみ

あゆ泳ぐ河に 私と言う 鮭が跳ねると

大熊の如く 逞しき大地

濡れた私の 身体を捕え 腹を裂き

未熟なままの たまごを得る

神の言葉に 馴染まぬ者への 賜物を産み

伽藍洞の 腹に満ち満てる 王のめぐみ

私の胎は 貴方の愛で 満たされる

終日ひねもす私が めぐみ育み

香らぬ花が 積もるが如く 増した嵩に

私は叫ぶ 「時は満ち足り」

惠を受け育て 胎を暴いて降り注ぐ

神が授けたまいし 我が惠

一人で溜めこむのは 些か重い

一二三四五六七八九十ひふみよいむなやこと 貴方を慕う子は多く

彼等の業は 美しい

なれど我が業は 血が滴り

肉の臭いが 腐食し 落ち崩る

その醜さに 救われし

神に負い目の ある者らに

宿りし心 泣き荒び 風はさやげる

福音の 稚魚が一尾 流れ抜き

深底の 宝の元へ 沈み泳ぎ

共に涙し 呪言を受け止め 共に叫ぶ

「憐み給え」と 神と共に 叫ぶ幼子に

「神の国は 近づけり」

神の託けを 私は告げる

そこに主が おられるのに

「愛を救いを」と 泣く子らに

その為我が胎 破れる事が 何であろう

死後の呪いを 受けた我が身に

与えられた 先取りのめぐみ

今こそ与えず 何であろう

誰も知るまい 福音を 孕む喜び

憧れよう 苦しみ無き世に

苦しむ喜びに 私は生きる

共に在れ 共に輝き 共に生き

今この身は 鳩であり うおであり 

そしてまた 神は私に 入りて微睡む

眠りは死に非ず 闇が光り

夜空の星灯あかりび 蓄える籠に

天津甕星あまつみかぼしの 仕立てた月白げっぱくに包まる

大役終えて 僅かな時

粒子の如き 身を繋ぐ 宇宙あいおんの楔

教会えくれしあの 軛を離れて 私は一人

真実しんじつまことの 神の御膝に 抱かれ座る

深淵びゅとすに沈み

御代を儚み

絶望に沈む

「神に棄てられた」 涙の糸で 首を吊り

偽神やるだばおとの 落とし子たち

末期憐れみ 私は願う


真理あれていあよ 今こそここに 我が愛をここへ

憂世の体裁ろごす 今こそ炉に帰し

神のぞえに抱かれ 愛し合え

今こそ二人に

聖寵満ちみてる聖母へ

共に証さん 永久の愛」

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