朝早く 週の初めに 日の既に登る頃 主の墓に着いた
一人むかえる
光を受けて 目を覚ませ
讃美囀る あしひきの
山尾の裾の 鶯の
歌こそ至極と 窓を開け
夜明けに淹れた
沸き立つ薫が舞い踊ろう
ふと来やる 一陣の風に
皐の小枝が乗って
陽射し強く 雨の香り漂い
眼下に白銀の如き
青葉光る椿の垣根に
紅白の花が しゃんと生る
我が魂は ここに招かれ ここに憩う
光耀く 白鳩の
薔薇と鎖を 用いて祈り
恵みを受けた その心が
苦しみ生きた 浮世を思い
今は唯 御胸に抱かれるならば
それもまた 粋や善しと 微笑む
笑う顔が告げる 彼方への愛
「やれ 次は何を 命じられようか」
パンを焼き 乳を搾り
朝餉の
歌はどこからか 伝わり
時の流れる川を見ようと
御使いは 楽士を伴い
門を
御笠を放り 水面に触れり
日輪 天から 動かず
さりとて光は 強くもなく
朝霧の晴れるを 照らすばかり
霧に触れんと 暖かく
その帯白く 掻き乱す
雪解け水は
潤すものは 喉に非ず
霊の隙間に 清水染み入る
朝の祈りを終えようと
我が胸には光 溢れよう
パン裂いた 皿置いて
家を出る足取りの 軽さを見て
友は呼ぶ 「お前も産んだか」と
私は答える 「ああ、産んだ」と
友は重ねて言う 「天を孕み 産んだのか」
重ねて答える 「産まぬのならば居らなんだ」
二人手を取り 王の住まう 宮へ急ぐと
朝起こした 白鳩をあやす 神の御子
遠く彼方から 我が君が為 摘む花の
音を聞いて 上げる御顔を
包む
今日も麗しと仰ぐ 神の子を
「ご機嫌麗しゅう 子供達」
「ご機嫌いかが 我が羊飼い」
「日毎輝くその姿 安らぎいると聞き
ゴルゴダの丘の風 一筋拾い
未だ憂世の 子等に告げよ 『救いは近し』
また
その歓び 開き包んで 謳えや共に」
御顔を見やると
笑う山に 昇るが如く
光る
鳥どもはばたき 山脈震え
ただ一羽 ヒソプで磨いた 鴨居の上
白い銀貨を 誇らしげに掲げ
白い鳩が 歌い出す
「歌え歌え
「
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