第6話 おっさんは粉砕する

 死闘乱舞。


 血が飛び、肉が飛び、絶叫が聞こえる場に散らす騒音。


 おっさんが獅子奮闘していた。


 手には何も持っていないかに見えるその様子に、ボッサゴブリンは眉間に皺を寄せる。


「ウギャギャ!」


 ザコゴブリンの振り上げるは何処かでぶつけ、作った棍棒か?対するはおっさん。


 ゴブリンの動きに対して先読みし、拳を握りアクションを行う。


「ほい」


 石飛礫(Lv3)がゴブリンの頭に直撃!ピヨピヨなんて言わせず、その衝撃は粉砕の2文字を生み出す。


「ふむ。レベル上がると威力が上がるな・・・」


 使用する際のレベルに比例し、攻撃力の上がるその攻撃は戦闘の難易度を下げていたのである。


 おっさんは冷静沈着にそれらの状況を把握し、秒間3発の石飛礫を飛ばしては粉砕活動を繰り返す。


・・・3分後・・・


「こいつら、ゴブリンみたいな姿してるなぁ」


 5分間の戦闘中、100体のゴブリンを粉砕していたおっさんは独特なテンポ感で呟く。


 拳には汗をしみ込ませ、その手で投げる砂の感触はどこな懐かしき、砂遊びを思い出すおっさん。


 頭を潰され、気圧されながらも後には引けないゴブリンたちの叫びが、辺りを支配するのであった・・・。


 この世界でのモンスターって、意外と見れるもので、精神的にはあまりこないようだ。


 これなら、種族間での交渉に第一歩を踏み込めるかなと安直な感想を抱く渉はそのままモンスターを駆逐していくのであった・・・

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