第7話 強敵殻炎

― 闇深き密林の奥底 ―


「まだ、攻め込めぬのか」


 四天の従者の1人、獣魔人将レオ。


 声幅広く重たい声が、辺りに響き渡っていた。


「はっ申し訳ございません。まだ100ある部隊のうち1つも連絡が来ておりません」


「無能どもがっ!大魔王様からの命令が下ること10日。あと残り20日以内に俺の命は絶たれてしまうのだ!急がせろ!どんな状況かすらも情報が入らないのは話にならん!」


 怒鳴り散らしながら地震を起こす振動に連絡長は足元をふらつかせながら、その場に佇む。


「はっ、急ぐべく例の実験体を導入するのは如何でしょうか?」


「ん?実験体だと?・・・あー、あの自主規制が効かない失敗作か、制御できるのか?」


「はっ、制御テストでは3時間の制御は可能となっており、それ以上制御した場合には、辺りを巻き混んで自害する結果が出ております」


「3時間か・・・良かろう、時間がない使えるものは出し惜しみは無しだ!即出動させよ!」


「御意、遂行致します!」


「最悪はお前も出動しろ、殻炎」


「ハッ」


 殻炎はその場から、炎に身を包み消えていった。


 ※殻炎はフェンリルの姿をした炎を纏う戦士であり、戦闘力は高く、約1分でゴブリン100部隊を一人で殲滅出来る力を持つ猛者である。


 発展途上にある渉が現在のまま、戦闘した場合、殻炎の強さが3倍近くの戦闘力であり、今の時点でおっさんが戦った場合、【イレギュラー】が発生しない限り勝てない相手である。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る